第13話
************
暗く老朽化した校舎内をひた歩く幸人。
そこは閉鎖的な、現世とは隔離された異次元空間の様な不気味さがあった。
人の気配等、一切無い。
だが“何か”が確実に存在を示す感覚。それは第六感に近いモノ。
二人が目指すは二階。
「…………」
「…………」
幸人はおろか、何時の間にかお喋りなジュウベエすらも、この校舎に足を踏み入れて以来、その口を開く事はなかった。
“それは危機的な本能なのか?”
“ギシ ギシ ミシッ”
ただ幸人の足音のみが、反響する様に辺りに木霊する。
二階の“ある場所”、校長室のプレートが立て掛けてある扉。
その前に立ち、幸人はその扉を押し開き、ゆっくりとその中へ足を踏み入れていく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます