第13話

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暗く老朽化した校舎内をひた歩く幸人。



そこは閉鎖的な、現世とは隔離された異次元空間の様な不気味さがあった。



人の気配等、一切無い。



だが“何か”が確実に存在を示す感覚。それは第六感に近いモノ。



二人が目指すは二階。



「…………」



「…………」



幸人はおろか、何時の間にかお喋りなジュウベエすらも、この校舎に足を踏み入れて以来、その口を開く事はなかった。



“それは危機的な本能なのか?”




“ギシ  ギシ  ミシッ”




ただ幸人の足音のみが、反響する様に辺りに木霊する。



二階の“ある場所”、校長室のプレートが立て掛けてある扉。



その前に立ち、幸人はその扉を押し開き、ゆっくりとその中へ足を踏み入れていく。

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