第5話 初めてのコスプレ(てれっ)

「はーい始めます、もう誰かいるかな?」


 昨日と同じ時間にスキルで半透明のモニターを呼び出す、モニターにはわたしの姿が映っている。外は生憎の大雨で今日はキャンピングカーの中からの配信になります。


『待ってた』

『おかえりー』

『全◯で待機してた』

『おまわりさんこの人です』


「あはは、皆さん待っていてくださりありがとうございます、フォロワーも3000人超えました。先はまだまだ長いですけどよろしくお願いします」


 そうなのだ今日配信前にフォロワーを見て見るとフォロワーが3000を超えていました。


『澪ちゃんの格好がかわいい』

『ほんそれ』

『魔女っ子のコスプレ似合ってる』

『昨日の変態さんのリクエストに答えたのね』


「どうです? 似合ってますか?」


 私は立ち上がりくるりと一回転する、スカートが少しふわりと浮き上がる。今の私の格好はわたしも好きな大人気アニメで肉体言語を使って戦う魔女っ子のコスプレをしています。


変態という名の紳士【うむ、似合ってるよ】10000円


「紳士さん、赤チャットありがとうございます、紳士さんのお陰で調味料もいっぱい買えましたので改めてありがとうございます」


『気にすんな』

『そうそう勝手にやったことだから気にしなくて良い』

『お前ら勝手に答えるなよ、まあ気にしなくていいよ、応援の意味もあるから』


「それでは予告通り質問を受け付けたいと思います」


 これを皮切りに色々質問が飛んできた、まずは拾えるものをメモ、赤チャットの質問を重点的に抽出してまとめるのはお父さんの仕事。


 しばらく経って質問も同じ質問が増えたりし始めたのでストップを掛ける。

 お父さんが質問をリスト化してわたしてくれる、内容はこんな感じになってる。


・充電とかに必要な電気とかどうなってるの?

・キャンピングカーって動くの? ガソリンは?

・モンスターっているの? でかいイノシシはモンスターなの?

・現地人に出会ったことは? もしくはいそうな痕跡はあった?

・ゴロタって小さくなれないの?

・スキルがあるのはわかっているけど、どんなの使えるの?

・魔法ってあるの? あるなら見たい。


 まだまだ質問はあったけど今回はこんなものかな?


「はーい、それでは1つずつ答えていこうと思います、ではまず最初は「充電とか必要な電気はどうなってるの?」ですね」


『確かに気になる』

『きっとソーラー付けてるんじゃないの?』

『それな』


「ソーラーパネルと書いた方正解です、ソーラーパネルはこちらに来る前にお父さんが付けたのですよ、なので家電も使えますしスマホなんかも充電できます」


『お父さん元々そっちの作業できる人か』

『へー、キャンピングカーってソーラー付けれるのか』


「それでは次の質問です「キャンピングカーって動くの? ガソリンは?」ですね、実はですね動きます、でもガソリンはもう使い切ってます」


『なんだってー』

『ガソリン無しで動くの? ソーラーで動くものなん?』

『まさか、あれかあれなのか』

『あれってなんだよ』


「あはは、これもお父さんなんですけどね、魔石って分かりますか? スキルで魔石を使って動くように改造しちゃったみたいです」


『魔石ktkr』

『おいおい、それがマジなら新しいエネルギー資源になるんじゃないのか』

『こりゃあ国が動くぞ』

『魔石ってどうやって手に入れたの?』

『よくあるモンスターとかじゃね』


「魔石はですね、ダンジョンの魔物を倒すと手に入ります」


 わたしは1つ魔石を手に取りカメラに映す。


「これが魔石です、見た目宝石みたいですよね、そしてこれに魔力を込めると色が変わるのです」


 手に持つ黒い魔石に生活魔法を使う要領で魔力を流すと、少しずつ黒い色が薄くなっていき白色に変わる、そこで魔力を込めるのを止めた。


『おぉーすげー、再利用可能って事か』

『充電? 充魔力? それが自前でできるとかエコだね』

『その魔石でどれくらいのこと出来るんだろ』


「そうですね、この小さい魔石だと満タンでもキャンピングカーだと10分は動くとお父さんが言ってます」


『へー』

『お父さん万能説』

『ガソリン無くても動いて良かったね、キャンピングカーあるのと無いのじゃ全然違うと思うわ』

『たし蟹』


「はい、そして次です「モンスターっているの? でかいイノシシはモンスターなの?」ですね、これは先程の魔石にも関係ありますね、この話はお父さんにしてもらおうとお思います」


 わたしは椅子からを立ちお父さんと入れ替わる。

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