第3話 もふもふ枠は必要ですね

「あー大丈夫ですよ、あれはうちのゴロタです」


『ゴロタ?』

『ゴロタちゃん?』

『どこのゴロタさん?』


「ゴロタというのは家で買ってるポメラニアンの事です」


『ポメラニアンって初めてみたわ、あんななんだ』

『いやいやいやいや、あんなポメラニアンいないから、いないからね』

『いやーくろぐろとした立派なポメラニアンですね』

『あんなポメラニアンいてたまるか』


「えっとですね、あの子もこの世界に来てからああなっちゃったんですよ、それにすごく賢くなりました、例えばですね」


 獲物をお父さんに渡したゴロタに手招きをすると嬉しそうに駆けてくる、じゃれてくるゴロタをワシャワシャしてふわふわの毛を堪能する。あっ放送中だった。


「ゴロタ、ステータス見せてー」


「ワウ」


 ピコンとステータスが表示される、モニターにゴロタのステータスを映す。


「皆さん見えますか、これがうちのゴロタです、そしてステータスです」


 ちなみに、ゴロタのステータス画面はこうなっています。

 しゅぞく:ポメラニアン希少種 なまえ:ゴロターニャ・三世 ねんれい:3 レベル:105


『……』

『…………』

『……………』

『ツッコミどころ多すぎて困る』

『ポメラニアンに希少種とかわけがわからんし』

『名前は突っ込まないぞ、絶対に突っ込まないぞ』

『レベル105? ミオちゃんは30だったよね確か』


「あはは、すごいですよねゴロタ、いつもお肉を確保してきてくれるんですよ、まあ体が大きくなって前よりよく食べるんですけどね」


『ゴロタもそうだけど、あのイノシシデカすぎ、これ絶対フェイクじゃないだろ』

『俺は最初から信じてた』

『私も信じてたよ』


「みなさん、わたしも解体のお手伝いするので今日は配信終わろうと思います、また明日のこの時間に配信しようと思いますのでよろしくお願いします」


『今日は終わりか、アーカイブに残るのかな?』

『わからん、そのミオちゃんのスキル次第じゃないかな』

『アーカイブあるなら宣伝しやすいな、まあ友達には明日のこの時間に見ろと言っておくわ』


変態という名の紳士【これで異世界らしい衣装を買うといいよ】50000円


『さすが変態さん、わかってる』

『それでこそ変態の鏡だ』

『さす変態、さす変態』

『お前らそこはせめて紳士って言えよ』


「あ、あはは、えっと紳士さん赤チャットありがとうございます、ご期待に添えるかわかりませんがお母さんにお願いしてみますね」


『明日まで待機してる』

『正座して待ってる』

『ちょっと赤チャのためにバイトしてくる』

『ミオちゃん頑張ってね、応援してるよ』

『またあした楽しみにしている』

『もっと異世界らしい風景とかあったらフォロワー増えるかも』

『ドローン代差し入れして、空からの風景とか撮って貰うか、お金用意しとくわ』


「あの皆さんお金は嬉しいですが無理はしないでくださいね、わたし達の目的はフォロワーを増やして地球に帰ることですから。次回配信では皆さんの質問にお答えしようと思います、変な質問はだめですからね? それじゃあまた明日の配信お待ち下さいね、ばいばーい」


 わたしは大きく手を振って配信を切った。

 配信を切るとモニターが目の前から消えた。


「はぅ疲れたよ」


 ん~と伸びをすると気持ちいい、配信していた時間は1時間くらいかな? それでも結構疲れちゃったよ。


「それじゃあお母さんはこの調味料片付けてくるわね」


「私も手伝うよ」


「そう? それじゃあ半分お願いね」


「はーい」


 わたしとお母さんは地面に落ちている塩や調味料の入った大袋を手に取りキャンピングカーに持ち込む。こっちに来た頃はこんなに持てなかったのに、レベルというのが上がったからかたくさん持っても重く無くなった。


「お母さん、これ最初からキャンピングカーで買えば運ぶ手間がなくて良かったね」


「あら、言われてみればそうね、うっかりしてたわ」


「もう、うっかりしてたのなら仕方ないね」


 キャンピングカーに荷物置いて後はお母さんにお願いしておく、お母さんはそのままご飯の準備をし始めた、今日は久しぶりに調味料を使ったご飯が食べられそうで嬉しい。

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