第2話 その者まごうことなき紳士
「お母さんこっち来てー」
お母さんを呼んで来てもらい私の代わりに映ってもらう。
『めちゃ美人さんキタコレ』
『金髪碧眼で長耳、マジエルフ』
「澪ちゃんお母さんはどうしたら良いのかな?」
「ほらこの前やったみたいにスキルのアマゾネス通販選んで」
「分かったわ、ステータスオープン」
お母さんの目の前にステータス画面が出てくる、スキル欄にあるアマゾネス通販の部分を指で押すと通販サイトが現れた。私はモニターにそれを映す。
「わかるかな? お母さんのスキルはアマゾネス通販で物を買うことが出来るのです、それにはお金が必要というわけです」
『へーそうなんだ、とりあえずフォローした』
『俺もフォローした』
『ワイもしておいた』
画面に現在のフォロワー数が表示されている。
「わわわ、一気に300人とかきましたよ、ありがとうございます」
ないんです【赤チャ書くテスト】100円
にゃんこ【俺も俺も】100円
「収益化と赤チャットと言うものが開放されました、それに早速赤チャットのないんですさんとにゃんこさんありがとうございます」
わたしはステータスをもう一度開き、赤チャットで入金されたお金を取り出す、この辺りはヘルプ機能で確認済みなのです。
「では先程頂いた200円で何か買ってみましょうか」
『うお、今空中からお金出てこなかった?』
『俺にもそう見えた』
『それより運営にピンハネされないのか』
『良き良き』
「普通は運営にいくらか持っていかれるのですね、さてそれは置いておきましょう、お母さんこの200円で何か買ってみて」
「ん~何が良いかなー、調味料買おうにも200円じゃ難しいね、醤油すら買えないわよ」
「醤油! 200円じゃ足りないの!? 一ヶ月ぶりの醤油……もう岩塩だけのお肉食べたくないよ」
不意に涙が溢れてくる、塩以外の調味料が恋しいよ。
『お、おい泣いちゃったぞ』
『醤油は大事』
『岩塩で塩分とってるのか』
『醤油とマヨネーズのない食事なんて考えられないな』
『マヨラーは黙ってろ』
「すみません急に泣いてしまって、一ヶ月近く前にお醤油も味噌も使い切ってしまって、今は岩塩だけが頼みの綱なのです」
変態という名の紳士【そ、そんな嘘に騙されないんだからね、これで好きなだけ調味料をお買い】10000円
『紳士乙』
『ツンデレ乙』
『変態だー!』
「へ、へんたい紳士さんありがとうございます」
『少し違う気がするけど良いんじゃない』
『変態紳士とか草しか生えん』
『卑猥な赤チャットは無理して言わなくて良いんだよ』
『誰が変態紳士やねん』
追加で一万円取り出しお母さんに渡すとその一万円をステータス画面に入れ込む。
「あらあらまあまあ、これだけあればいっぱい買えるわね、これとこれとこれも買っちゃいましょうか」
お母さんが色々な商品を追加して決定を押すと、何もない空間からドサドサと品物が落ちてくる、今回は割れ物がなかったから良いけど、下にクッションとかあったほうが良いね。
『おいおい、また何もない所から出てきたぞ』
『フェイクじゃなくてマジっぽいよな』
「みなさんフォローありがとうございます、あと赤チャットしていただきありがとうございます、この調味料があればしばらく生きていけます」
わたしはカメラにペコリとお辞儀をした。
『応援してるよ、がんばってね』
『ツチッターで拡散しておくわ』
『友達にもお勧めしておく』
「よろしくお願いしますみなさん、目指せ1億フォロワーです」
今日の配信で500人ちょっともフォロワーが増えた、この調子だと後どれ位で達成できるのかな?
『ちょ、ちょっと後ろ、後ろ!』
『わっ、何あれやばいよ』
『ミオちゃん逃げてー』
ん? 後ろ? 後ろを振り向いてみる、そこには大きな大きな、わたしの身長を2倍にしたようなイノシシを咥えた、真っ黒くて大きな狼がすごい速さで走ってくる姿が見えた。
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