コスプレ少女澪ちゃんの異世界配信
三毛猫みゃー
第1話 配信始めました
「てすてす、本日は晴天なり、CQCQ、ハローハロー……ん~ちゃんと配信できてるのかな?」
わたしは目の前にある半透明の四角いモニターに向かい声を出す。
モニターにはわたしの姿が映っている。
『ちゃんと映ってるよー』
「わっわわわ、えっと、えっと、はじめまして」
メッセージがわたしに重なるように表示された。
少し見にくいかなと思い、指で操作してメッセージの表示位置を端っこの方に変えてみる。
『はじめまして』
『こんにちは』
『おっ可愛い子』
『背景すごいな大草原が広がってる』
『WWWWWWWW』
『それじゃないから、刈っておきますねwwwwww』
「いっぱい来た、どうしよう」
『ういういしいな』
『とりあえずもちつけ』
『これって何の配信?』
『何でも良いよ、俺は可愛い子見れたら満足だから』
『おまわりさんこのひとです』
『とりあえず外配信なのはわかるけど』
「そうですね、まずは自己紹介をしようと思います」
わたしは目を瞑り息を吸うとゆっくり吐き出し目を開く。
「わたしの名前は、
『ミオちゃんかいい名前だね』
『それって本名? 身バレ大丈夫?』
『あっ俺その子の事知ってるかも』
『何?』
『おまわりさんこの人です』
『違うからなネットニュースで見たんだよ、珍しい名字だなって多分半年くらい前じゃないかな』
『ぐぐってきた、確かに記事あったわ、でもこれ本当なのかな』
『なになに』
『いやねその子含めて家族全員行方不明なんだって』
『目の前に映ってるし』
「あの少しだけ話をさせていただきますね。私とお父さんとお母さんは1年ほど前にここに迷い込みました。ここは日本ではなくてましてや地球でもなさそうなのです」
『マジ? 神隠しか何か?』
『最近流行りの異世界転移ってやつか』
『流行ってるのか? 俺まだ異世界行けてないんだけど』
『いや、漫画とか小説とかアニメとかでは流行ってる』
『証拠UP希望』
『何かそれらしいのないの』
「証拠になるかわかりませんが、お父さんとお母さんに映ってもらいます」
わたしはモニターを手で動かし少し離れた場所に座っているお父さんとお母さんに向ける。
『ファッ!』
『え?本物?』
『特殊メイクか何かか? 手が込んでるな』
「私の姿はそのままなのですが、この世界に来た後しばらくたった時にお父さんがファウンダードワーフと言うものになって、お母さんがファウンダーエルフというのになったみたいなんです」
『ファウンダー? 始祖とか創始者かそこはかとなくすごい感が出てる』
『普通のドワーフとかエルフのパターンもあるのかな』
『ちなみに澪ちゃんの種族は何なの?』
「わたしはですね、人間となっています』
再びモニターを元の位置に戻す。
『いやいや、異世界なのになんでToTubeで配信できてるんだよ』
『確かに、電波とかどうなってるの?』
『さすがToTubu異世界との通信も可能なのか』
「そうです、それです、このToTubeに配信出来ているかです、つい3日ほど前に手に入れたスキルというもので出来るようになったのです」
わたしは高速で流れていくコメントを流し読みしながら喋る。
「そしてなぜ配信するかです、ステータスオープン」
わたしがそう言うと目の前に半透明の板が現れる、それを数回操作してある画面を表示させるとそれをモニターに映す。相変わらずコメントは流れ続けている、とりあえず今はこちらの事情を知ってもらうのが先かな。
「これはステータスオープンと言うと現れる物です、ちなみにお父さんが見つけました」
『あっ察し』
『察し』
『わかりみ』
「そして見てほしいのはこの部分です」
わたしはある場所に指を向ける。
『なになに、フォロワー1億で異界の扉(日本行き)だって』
『フォロワー1億とか無理ゲー』
『日本だけじゃ無理だなこれは』
『一応日本だけのネット人口は1億人超えてるけど、日本だけでっていうのは現実的ではないな』
『いやまて俺はその下の方が重要な気がする』
『俺もそう思う』
『俺も』
『某も』
『私も』
『拙者も』
『フォロワー5億で異界の門(双方向移動可能)×5、十億で×10ってなってるな』
『マジか、それ本当なら俺も異世界行ける!?』
『おいおい、これがマジなら国で取り合いになるぞ』
『本当ならな』
「信じて貰うしかないですけど、わたしが配信をする理由になります、あとですね……」
ステータス画面を一番上まで指でスクロールしてモニターに映すとそこにはこんな感じでの事が書いている。
・フォロワー0 ToTube・にたにた動画・ちょりキャスで配信可能
・フォロワー10 収益化
・フォロワー100 赤チャット機能開放
「こういう感じになってます、わたしたちの目標はフォロワー1億人集めて地球に、日本に帰りたいのです」
『ふむふむ、しゅぞく:人間 なまえ:永遠田澪 ねんれい:12 れべる:30』
『12歳なんだ、小学6年か中学1年って事か』
「えっ、あっ、ステータスクローズ!」
見せるつもりがなかった部分まで映っていたので焦っちゃった。
『あー消えちゃった』
『異世界からどうやって通信してるのかわからないけど、収益化とか異世界でお金必要なの?』
『たし蟹』
『何に使うんだろ』
『新手の詐欺だろ』
「あーお金、お金ですね、実は使い道があるんです、お母さんのスキルなんですけどね、ちょど良いので実演してみましょうか」
わたしは、お母さんを呼んでお金の使い道を説明する事にした。
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