編集済
〈side陸斗〉
Edinburgh某所
「お久しぶりです、ジャック、いえ、バンコラン少将、あ、今は中将でしたか。」
「ジャックでいいさ、DAN。」
黒髪ロング、アイシャドウをした鋭い目つきの英国諜報部局長が迎えてくれた。
イメージは日本人の芸能人でいえばGACKTがピッタリか。
「マライヒ君も元気そうだね、やっと籍を入れたそうだね。」
金髪ロングのカーリーヘアの少年、いや美青年は「そうなんだよ、DAN、やっとだよ。」
嬉しそうに答える。
「今日は例の日本の要警護対象者のことか?」
「それもあるが、今日は息子を紹介しようと思ってね、陸斗、入りなさい。」
陸斗は10歳ながら日本国内閣情報局のエージェントとして登録されており、階級は3等陸尉になったばかりだ。
「初めまして、陸斗です、父がお世話になっております。」
流暢なキングスイングリッシュで挨拶をする。
「ほう、いい目をしている、それになかなかの美少年だ。」
脇でマライヒが夜叉のような顔をしてバンコランを睨みつける。
「おっと失礼、コイツの厳しい訓練もこなしたようだな、もう一人前だ、そうだこの拳銃をプレゼントしよう。」
Glock17 Gen4を引き出しから取り出し手渡す。
「ありがとうございます。練習場で使ってたものと同じ制式銃ですね。助かります。」
「手入れをしっかりするといい、いい銃だ。」
「ところで要警護対象者は今日帰国だったな。」
「ああ、さる財閥令嬢なのだが少々訳ありでね、あまり表立って警護できないのて息子に声がかかったんだ。」
「わが英国政府とMI6にとっても重要案件だからな。」
バンコラン中将が続ける。
DANは続ける。
「そのご令嬢は10歳でこの陸斗と同じ歳だ、そこでこの陸斗を同じ小学校に通わせて警護と“監視“に当たらせることにしたんだ。」
「実は少々問題を抱えている子でな、手を焼きそうなんだ。」
バンコランの頭の中には例の潰れアンマンのような顔をした例の王子、いや今はもう国王の悪夢がよぎった。
「心労お察しする。」
バンコランは頭を片手で押さえてこたえた。
「と言うわけで、しばらく英国とはおさらばだ、その挨拶というわけだ。」
そうだな、お互い頑張るか。
バンコランとDANは固い握手をして別れた。
ヒースロー空港は今日も雨模様だった。
作者からの返信
毎回面白いサイドストーリーをありがとうございます!
拝読に参りました!
宜しくお願い致します♪
お父さんの代わりの役目が気になります。
ご近所さんへの挨拶のことなのかな?
作者からの返信
コメントありがとうございます!
しおりの役目はそれだけではありませんよ!