第6話 運営とプレイヤーと観客と
??「ふふふ、実験は無事進んでるようだな。被験者の動きに注目だな」
俺たち3人はとりあえず俺の家に入り作戦会議をしていた。
「一応確認すると、タイムリープのキーは、"睡眠"ということで間違いないな?」
「うん、多分そうだと思う。」
「え?でも幽霊に睡眠なんてあるの?」
確かにそれは俺も気になった。
「睡眠かどうかはわからないけど日が変わる瞬間、24時ごろになると、気がついたら生前、住んでいた家のベットで目が覚めるの。」
なるほどな、気絶させられて運ばれるようなイメージか、であれば、コイツは起きようとしてても強制的に眠ってしまう。
「だったら今日、俺は"寝ない"」
そう、寝ることがタイムリープを起こすスイッチだとしたら寝ない、というのが正解だ。
「さっすがキヨくん!身体だけじゃなくて、頭も成長してたんだね!」
なんかバカにされてる?流石に幼稚園児には頭脳では負けないぞ。なんせ、高校生だからな!
「お兄ちゃんが今日起きてるなら私も起きてていい??」
お前は起きてても意味ないと思うけど...でもまあ、施設では消灯時間も決まってるだろうし、夜ふかしに憧れがあるんだろうな。
「ああ、いいぞ。」
俺が了承すると喜びながら自分の部屋で荷造りを始めていった。お泊まり会じゃないぞ?
「キヨくんはさぁ、この11年どうだった?」
ルビーは切なそうに俺に尋ねる。そうかコイツは俺が過ごしたこの11年を過ごせなかった。
「ああ、まあまあ楽しかったぞ。」
俺は正直な気持ちを言う。
「キヨくん、天使ちゃんのこと好き?」
俺は吹き出しそうになった、いきなり何を聞くんだ。
「ああ、もちろん大好きだぞ。家族として。」
俺は質問を交わしてそう答える。
「家族とかそう言ってるんじゃなくて!女の子として!!」
「何言ってるんだ、あいつは家族だぞ?確かに顔は整って可愛いし、女子力高いし、魅力的ではあるけど...」
「キヨくん?私は死んだんだよ?死人に意地張ってどうすんの?」
そういい、彼女は、笑いながら、でも、その笑顔は無理していて苦しく、5歳やそこらの少女がするべき顔ではないような顔で真っ直ぐ俺を見ていた。その視線が痛く、ただ苦しい。だから俺は目を逸らした。
「キヨくんの、、、バカ!!!!」
泣きながらルビーは浮遊して移動するわけでも、壁を通り抜けて移動するわけでもなく、普通にドアを開け、普通に階段を降りて、玄関のドアを開けた。その姿はまさに人間であり、一人の少女として俺の目に映った。
「はあ、何してんだ俺。」
自分の不甲斐なさで亡くなった一人の少女を傷つけてしまった。
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