第5話、仏壇の子

「お前は、、、ルビー!」

どうりで懐かしいわけだ。しかし幼稚園ぶりか?


「お兄ちゃん、この子ってあの仏壇の..?」

ああ、そうだコイツは11年前に死んだはず。お葬式でコイツの骨を入れたのは、昨日のことのように俺の脳裏に刻まれていた。コイツが死んだ時、コイツの親族は泣き、近所の人達は、「かわいそうに、」とまるで他人事のように"悲しんでるふり"をしてるように見えた。俺は一週間以上、幼稚園児ながら、自堕落で怠惰な生活をしていたのを憶えてる。


「死んだはずのお前が何故ここにいる?」

俺は単純な疑問をぶつける。ルビーの姿は幼少期のままで、顔は整っており、言動も行動も当時のままだった。


「なんでって言われてもなー、自分でも解らないんだよね、なんで私がここに居るのかも何がしたくてここに居るかも。」


「そっかぁ、ルビーちゃんは今どうしたいの?」

そう天使が聞くと、何かをひらめいたような目をしてこう言った。


「多分、あの頃、未練があったんだと思う。」

ありがちな話だな、生前、忘れられないなにかがあったとかで幽霊になって現世に取り憑いている。


「つまりその"忘れられないなにか"を見つけることが出来ればルビーちゃんはあの世に行けるってこと?」


恐らくそうだろう、だがもし仮に、まだ生きていたい。という願いであればコイツはずっとここに居る。あー!くそ!頭の中こんがらがってきた。タイムリープに幼馴染の幽霊、ん?そうか!


「俺をタイムリープさせてるのはルビー、お前か?」


「ううん、わからない、、でも分かるのは、たいむりーぷ?してるのはキヨくんだけじゃない...私もしてるの。この光景、昨日も見た気がする」


コイツもか、でもそんなスピリチュアルなこと本当にあるのか?まあ実際起こってるからなんとも言えないがな。

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