第53話 5体の海賊ゴースト
次の日、船の迷路をマッピングしながら進んでいると、又、階段の無い部屋に行き当たった。しかも、甲板から降りてすぐの部屋で船底全体が一部屋になったようで大きな部屋だった。降りるとすぐに海賊ゴーストが出てきたが、全部で5体いる。一人が一体づつ対応しても誰かが2体を相手にしないといけない勘定になる。
「2人づつに分かれて、前衛は剣を弾いたら次の海賊の対処を、後衛は剣を弾いた海賊のバンダナを攻撃して。」
皆に指示を出して、一番手前の海賊ゴーストの剣を弾きに駆け寄る。ミャオも逆方向の海賊ゴーストに向かって行った。
「ガシッ」
海賊ゴーストの剣を上方向に受け流すと、天井に剣が刺さって動けなくなったので、次の海賊ゴーストに向かう。
「ファイヤーアロー」
マリが、天井に剣が刺さったゴーストに攻撃を仕掛けた様だ。
「ガガッ」
ミャオが反対側で、2刀のシミラーを使って剣を弾いた音が聞こえてきた。
「ウォーターカッター」
カイトとの連携もうまくいったようだ。
次に向かうと、2体の海賊ゴーストが同時に寄ってきた。これで、ミャオはもう一体の海賊ゴーストに対応すれば良いので、こちらさえ対応できれば大丈夫だ。
「ガシッ、ガシッ」
2方向から同時に切り付けてくる海賊ゴーストの剣を左右の剣で対応する。左からの攻撃を左に、右からの攻撃を右に受け流す。これで、2体の海賊ゴーストは左右に分かれて離す事ができた。右に流した方の海賊ゴーストの方に近寄って体制が整う前に持っている剣を下へ叩き落とす。
「ガシッ、ドンッ」
叩き落とした蛮刀が床にめり込んだ所を峰の部分を踏みつけて床から抜けなくする。そうしておいて、左に流した方の海賊ゴーストの方へ走り寄る。こちらのゴーストは、体制を立て直していた。
「ガシッ」
再度、攻撃に来た所を更に左へ受け流す。左に流れていく所を追いかけていって、上からバンダナを切り下げる。体ごと床に沈んでいくが、剣が引っ掛かった所で沈み込みが止まる。止まったバンダナを切り下げて、止めを刺した。
「ガガッ」
「ファイヤーアロー」
「ウォーターカッター」
ミャオが2体目のゴーストの剣を弾き、マリが、床に剣をめり込ませたゴーストに攻撃して倒した。その後、ケイトもミャオの2体目のゴーストを倒したので、5体出てきた海賊ゴーストは、全て対処できた。
5つの宝箱を開けると、全ての宝箱からミスリルが出てきた。5体を相手にするのは大変なので、ご褒美の意味合いがあるのかも知れない。
更に、マッピングしながら進んで行くと、昼過ぎに突き当りの部屋から戻ってくる『虹の精鋭』のメンバーと出会った。
「ツグト、ここまで来たか。ここは、突き当りの部屋で2体のゴーストが出てくる部屋だ。今、倒したところだから、暫くドロップしないよ。」
「お疲れ様です。途中に5体が出てくる部屋があったけど、あっちの方がミスリルが沢山採れるよ。」
「俺たちは、前衛・中衛・後衛・ヒーラーのバランスパーティだから、強敵を対処するのは良いんだが、数を相手にするのは大変なんだよ。2体ぐらいがちょうどいい。」
『虹の精鋭』は、バランスの取れたパーティなので多数相手は苦手との事だった。僕たちのパーティは前衛・後衛が2組のパーティなので、多数の相手もやりやすい様だ。ヒーラーが居ないのは心もとないが、軽傷なら魔力循環で治せるので何とかなっている。
「そうですか。僕らは、戻って次の進路を目指します。」
「おぅ、分岐迄戻ったら、後5~6隻で階層主部屋に行けるよ。気を付けてな!」
その話を聞いてから、『虹の精鋭』とは分岐まで一緒に戻り、そこで別れて先に進むことにした。
更に5隻を踏破したところで、次の船の甲板に上がると、沈没船には見えない豪華な拵えの船だった。
「今までの船とは違うので、ここが階層主部屋じゃない?」
マリが階層主部屋だと主張するのも納得できる豪華な造りだった。
「そうだね。では、気を引き締めて行こうか!」
気合を入れ直して、階層主部屋の扉を開けた。
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