第49話 C級パーティ
神の日のお休みには、みんなで買い出しをして、次の月の日はケイトが初級試験を受けるのでお休みだ。一方、僕は朝からギルドで書類に取り組んでいた。やっているのは、個人ごとの魔石を実績にカウントする計算と記載、本部へ送る魔石の集計などだ。個人別の一覧表から出る魔石の集計と、本部へ送る魔石と商業ギルドへ売り渡す魔石の量の集計が合うかどうかが心配だったが、昼過ぎに終わった計算の合計が合ったので、一息吐いていた。
「ツグト、ご苦労様、集計が一発で合うなんて初めての事かも知れないわ。」
「ライラさん、合わないとやり直しになるので、2回づつ計算しましたよ。」
ギルドマスターの奥さんで、ギルド事務の責任者のライラさんにねぎらいの言葉をもらって、休憩に入った。
「そうそう、区切りが付いたらギルドマスター室に連れて来てくれって言われてたんだった。ちょっと、顔出してくれる?」
「後は、昼から書類を整えれば終わりなので、大丈夫です。何の話ですか?」
「それは、行ってからのお楽しみって事で。」
何の話かは教えてくれないので、ギルマスの部屋へ向かう。
「トン、トン」
「ツグトです。入っていいですか?」
「あぁ、入ってくれ」
ノックをしてから、部屋に入るとギルドマスターのエリウスに応接のソファへ座らされた。
「ツグト、お前とドリームカルテットを、今日からCランクに認定する。リーダーとパーティが同時にCランクに昇級するのは普通は無いのだが、8層ゴーレムの弱点と6層スケルトンのプレート裏の核の弱点、2点の報告はこのギルドの冒険者全体にとって帰還率を大きく伸ばす功績として評価させてもらった。これからも、Cランクに恥じぬ活動を期待している。朝からギルドカードを預かっていたが、前のカードは破棄してCランク~のギルドカードを再発行した。新しいギルドカードだ。」
新しいギルドカードを受け取って、Cランクになったことを再確認する。自身のCランク昇格は近い内にあるとは思っていたが、パーティ同時に昇級したのは、驚きだ。Cランク以上はBランクもAランクも同じカードでランクの表示の部分のみが認定された時に書き換えられる。
「パーティも認めていただき、ありがとうございます。これからも皆と一緒に頑張ります。」
「おう。ケイトは今日からD級になれるだろうし 、他のメンバーも直ぐにD級からC級に上がりそうだしな。それと、お前に実家から手紙が来ているぞ。」
そう言って、一枚の手紙を手渡してくれた。手紙を受け取って、ギルドマスターの部屋を出た。
「ツグト君、Cランク昇格おめでとう。」
「おめでとう。」
ギルド事務所の席に戻ると、事務所に居たライラさんと受付嬢のミエラさんにお祝いを言われた。2人は今回の昇格を知っていたようだった。
「ありがとうございます。」
改めてお祝いを言われて、うれしさが込み上げてきた。
「又、お祝いをしないといけないわね。」
「いや、この前Dランクのお祝いをして貰ったところなので、連続になりますから。」
「なにを言っているの昇級が早いだけで、Cランク昇級は特別な事だからお祝いは必須だよ。」
この前Dランク昇級のお祝いをしてもらった所で、又お祝いして貰うのはどうかと思ったが、ライラさんが言うには、お祝いは必須の様だった。
「わかりました。お手柔らかにお願いします。」
あまり、派手に行わないようにお願いするのが精一杯だった。
その後、書類の作成を終えて、業務に一区切りついたところで、実家からの手紙を読む。内容は、レベル上げが一段落着いたら、冒険者を続けるにしても一度実家に戻って来いとの事であった。10層の攻略が終わったら、一度、実家に帰る事にして、もう少しだけダンジョンの攻略を進め様と思って、家に帰ってその旨を実家への手紙にして書く事にした。
その後、次のダンジョン攻略の予定を聞かれて、火の日から土の日まで4泊5日の日程を伝えると、土の日は早め帰って来いと約束させられた。土の日に前と同じ様に、ギルドの食堂でお祝いをしてくれるとの事だった。パーティの昇級でパーティメンバーも一緒に祝ってくれるとの事で、皆で夕方には戻るように言われた。
そんな話をしていると、ケイトが無事に戻ってきた。問題無くDランクの試験をパスしたとの事だった。
「ケイト、お帰り。ビッグゴッグは問題なかった?」
「前の遠征の時に練習させて貰ったので、問題無く倒せたよ。」
「Dランク昇級おめでとう。それと、僕とドリームカルテットも昇級して、今日からCランクになったよ。お祝いをしてくれる話があって、次の遠征の最終日、土の日は早めに戻る予定になったから、よろしく。」
ケイトには、僕とパーティのCランクへの昇級の話をして、土の日にお祝いをしてくれるとの話をした。ケイトのDランク昇格もあって、お祝いごとが渋滞しているが同じ日にお祝いするで納得してもらおう。
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