第11話 ゴブリンの集落(広場の決戦)
昨日のゴブリンナイトより一回り大きいゴブリンナイトは、両手剣を片手で持って横殴りに振ってきた。これをしゃがんで躱し、しゃがんだまま足を薙ぐ。ゴブリンナイトは剣を振りながらバックステップで躱す。振り切った剣を逆の剣筋で再度横薙ぎに放つ。こちらもバックステップで距離を置き躱す。一瞬で距離を詰めてきたゴブリンナイトは右手の剣を振り下ろしてくる。右に躱した所を空いている左手をフック気味に振ってくる。これを体を後ろにそらす事で何とか躱す。拳を躱した体制のまま後ろに飛んで距離をとる。
背中で滑りながら、足を上に振り上げそのまま体を後ろに回転させ立ち上がる。スピードで負けていて、防戦一方になってきた。身体強化に流している魔力の量を増やす。流す魔力は、通常流すものの倍まで増やすことができる(それ以上は、魔力が対外に放出される)。そのギリギリの倍量まで増やして、チラリと空を見ると日が昇ってきていた。朝日を背に負う角度になるように左に回り込む。ゴブリンナイトが目を眇めた瞬間を見逃さず距離を詰め、右からゴブリンナイトの左足に剣を薙ぐ。
「ガシッ」
攻撃が届いたが、足を浅く切りつけただけだ。硬さも昨日のゴブリンナイトの比ではない。直ぐに離れて左に回り込み逆袈裟に切りつけた剣をゴブリンナイトの剣が弾く。右に回り込んで、再度朝日がゴブリンナイトの目を焼いた瞬間に右からひじに突きを放つ。剣は左手に持ち替えている。ゴブリンナイトが咄嗟に体をひねって躱す。体をひねったことによって、見えた背中に回し蹴りを放つ。
「バシィ」
回し蹴りがきれいに決まり、ゴブリンナイトは前にたたらを踏む。その背中に向けて更に剣を横薙いだが、ゴブリンナイトが、そのまま前に飛んで躱す。身体強化の魔力を倍にしているので、動きについていっているがMPの消費が激しく今のやり取りで半分を切ったようだ。再度、向き合って対峙する。打撃が通ったことでゴブリンナイトが怒り、目が吊り上がり体から怒りが吹き上がるように見えた。剣を構えるが、先ほど迄のように切りかかってこない。試しに右から横薙ぎに切りかかると、ゴブリンナイトは防御を捨てて袈裟懸けに切りつけてきた。こちらの打撃が致命傷にならないとみて、防御を捨てたようだ。横薙ぎを中止してバックステップで躱す。ゴブリンナイトは更に踏み込んで、逆袈裟に切り上げてくる。更に下がって躱す。右に飛んで、朝日を背にして左腕に切りつける、肘に浅く入る。防具の無い所なので攻撃が入ったが、防御力が高いため浅くしか傷つつかない。しかし、ゴブリンナイトは怪我が気になるようで左腕を気にしている。右側に回り込み、左に持ち替えた剣で再度左の肘を狙う。ゴブリンナイト前に出て躱したところに右足の回し蹴りを放つ。腰を曲げて躱そうとしたので、回し蹴りの軌道を上に跳ね上げ、そんままカカト落としを背中に見舞う。回し蹴りを放つ前に、右足に魔力集めていた。その魔力を魔力弾を飛ばす要領でカカトから放ちその後を追うようにカカト落としが入る。
「ドガガッ」
2発同時に当たったような音がなり、蹴りの威力も倍以上に膨らんだようだ。地面に張り付いたゴブリンナイトの背中が窪んでいる。その窪みを目がけて剣を突き刺す。。
「ザシュ」
蹴りによって傷ついた箇所なので、剣が通った。背中に足をかけ、剣を引き抜き様子を見るが、起き上がる様子はなかった。
「「「レベルアップしました」」」
ゴブリンナイトの命が尽き、レベルアップの声が複数回頭に流れる。
「・・・・・終わった。」
昨日から続いた長い闘いが終了した。
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