第6話 この人、大丈夫?
「え? もう疾風の騎士にはなれないの?」
「ああ、ごめんごめん。言い方が悪かったね。この魔道具は魔石をコアにして使用するんだけどね、魔石の耐久時間と使用者の魔力量によって効果の持続時間が決まるんだよ。ヒコ君の今の魔力量とセットしている魔石の耐久時間を考えるとこれ以上の使用はできないってことなんだ」
「うん、ぜんぜんわかんないや。そのあたりはコウジが分かってたらいいや。オレはパス!」
「ヒコ、それ分かってないといざという時に使えなくなって困るぞ、きっと」
「コウジにはわかるんだろ? ならいいじゃん」
「あはははは。君たちはそういう関係性なんだね。まあ魔道具の使い方についてはおいおい説明していくよ。さて、じゃあ状況を整理してみようか」
「はい」
「はい、お願いします」
「二人は地球という世界の日本という国からここ、ニニラカン大陸に飛ばされてきた。あ、僕たちの世界にはない概念もあるから間違ってたら訂正してね。で、二人はヨーコ君が手を振っているところに行こうとして走ってたら後ろから誰かに突き飛ばされて気がついたらこの森にいた。ここまではいいかな?」
「「はい」」
「で、たまたま僕たちが通りかかってヒコ君に出会い、コウジ君とも出会えた。あとはもう一人のヨーコ君か、でもヨーコ君がこちらの世界に来ているかどうかは不明ってことだね」
「「はい」」
オレたち五人は焚火を囲み、食事を摂りながらこれまでの経緯を確認した。
「そこはおいおい確認していくしかないね。じゃあまあとりあえず、こちらの自己紹介をしておくね。まず従者のロックス。さっき鳥の目を使ったりしたから驚いたかもだけど、こっちの世界では魔法は当たり前にみんな使えるからね。あ、そんなにキラキラした目で見ない、ヒコ君。魔法については後で説明するからね」
「ロックスだ。お見知りおきを。ミーノル様の従者ではありますが、護衛も兼ねている」
「私はオーター。そもそも私はあなた達を連れていくことにまだ納得していません。仲良くなどしなくてもいいですし、必要がなければ話しかけないでいただきたい」
「オーター殿、子ども相手にそこまで言わずとも」
「いえ、ロックス殿。こういうことは最初にきちんと伝えておく方が良いのです」
「ま、こういう人たちだよ。ま、気にしなくていいからね。何かあったら僕に聞いてくれればいいからね」
「ミーノルさん、僕たちは本当に一緒に行ってもいいんですか? ご迷惑じゃ?」
「なにを言うんだい、コウジ君! ヒコ君も一生懸命食べているとこ悪いんだけど聞いてくれる? 僕、ミーノルは魔導技師。これは伝えたね。ここからが本題なんだけど、君たちの知識を僕に教えてもらいたいんだ。さっきの戦闘で使ったガントレットのような武具の開発、僕の理論に君たちの知識は必要不可欠なんだ。この二人がいやだって言っても今度は僕が君たちについていくよ!」
この人、大丈夫なんだろうか?
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