第7話 大陸のかたち
「よしっ! じゃあ早速明日から色々開発しよう! あーワクワクする! 楽しみだね!!」
うわぁ。すごいテンション上がってるよ、この人。
「あの、魔導技師というのはどういう仕事なんですか?」
「そうだよ、それを教えてくれよミーノルさん」
「うん? そうだねぇ。魔導技師って言うのは一言でいうと魔力を使っていろいろな物を作る人のことかな。例えば武器とか防具とか家具とか生活用品とかいろいろあるけど、僕は今の聖王国にはない理論を考えててね。ま、それで国に目をつけられちゃって。こうして――」
「ミーノル殿! それ以上はおやめください!」
突然オーターさんが大声を上げる。
「いいじゃない。彼らはこの大陸に突然飛ばされてきたんだよ。大陸の情勢なんてなにもわからないんだよ」
強い口調でミーノルさんが言うとオーターさんは渋々と引き下がる。
「よし、じゃあもう少しこの大陸の情勢を話しておくね」
「はい。お願いします」
「お、コウジ君は聞いてくれそうだね。ヒコ君は、どうかな?」
「オレは面倒だからコウジに任せる!」
「あはは。うん、じゃあ聞けるだけ聞いておいてくれればいいからね。じゃ、始めるよ。この大陸はニニラカン大陸。今は聖国歴七百六十三年、この大陸は、全土が聖王国という一つの国なんだ。だけどそれがね、今回ハクジョクってところで内乱が勃発してね、大陸の北部・東部連合が聖王国軍に勝っちゃったんだ。ま、これで七百六十年ものほほんとしていた国を動かしていたやつらも目が覚めるってことだね。ちなみに」
ミーノルさんは木の枝で地面に大陸の絵を描いてくれた。
長方形の大陸の真ん中北側にハクジョクがあり、王都は南西にあった。
「オレたちは今どこにいるの?」
「お、そこは気になるんだね、ヒコ君」
そう言うと、大陸の北東に位置する場所を枝で指し
「ここ、ハクテ山の森にいるね。ここから南に三日ほど下るとペイドルの町、東に三日ほど向かうとコカンベ村に到着するってところかな」
「で、ミーノルさんたちはどこに向かっているんですか?」
「僕らはペイドルを目指して進んでるんだ。そこである人に会う予定なんだよ。あ、ある人って言うのは、ってそこのオーターさんが殺し屋の目になってるから言えないね」
見るとオーターさんは仁王立ちで僕らを睨みつけている。
「そんなに怒らなくてもねえ。ま、詳しいことは明日以降道すがら話すとして、今日はもうお休み。いろいろあって大変だと思うけど、まずは食べて休むこと。考えることは明日だね、コウジ君」
ミーノルさんがシーツを持って立ち上がると、いつの間にか眠りこけているヒコにそっと掛け
「さ、コウジ君もヒコ君の隣でおやすみ。夜の見張りは僕たちがやるから」
ミーノルさんから聞いた話を考えるコウジ。
爆睡しているヒコ。
行方が分からないヨーコ。
異世界に転移した三人の物語が今、始まる。
イメージで魔導変身、異世界転移でイメージ武具を作成しよう UD @UdAsato
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