*登場人物一覧【春季】*



*玄鳥至(つばめきたる)愛称・つばき

 主人公。二十四節気・清明の初候。男性体。秋季の玄鳥去つばめさるの兄。見た目年齢は二十四五歳。女子受けの良い整った顔立ち、紺の髪。暗めの色の着物の下に黒いズボンを履いていることが多い。真面目だがノリは悪くないため、相手によってはいたずらを仕掛けることもある。淡泊で面倒くさがり。一人称は「俺」


*雀(すずめ)愛称なし

 副主人公。消えた春分の初候・雀始巣の穴を埋める候補者として暦の世界にやってきた。見た目は十四五歳の少年で、焦げ茶色の髪、笑えば愛らしいえくぼが印象的。春の宮では薄い青の着物に灰白色かいはくしょく裁着袴たっつけばかまという服装。前世は人らしいが、記憶がない。繊細で相手の感情の機微に敏いが、我も強いため、他人との距離感を難しく感じている。一人称は「おれ」




*春(はる)愛称なし

 春の宮の主。天女のような衣を纏い、穏やかな春の日差しのような微笑みを称えた女神。特別美人ではないが、皆に愛される顔立ち。ふわふわしているようでしっかり圧も出せる。怒らせると怖いタイプ。移動手段は風。一人称は「わたくし」



*立春(りっしゅん)愛称なし

 一番目の二十四節気。女性体。すべての二十四節気の最初に位置し、みんなのお母さんを体現したかのような暦。ふくよかで、割烹着がよく似合う。趣味・特技は料理全般。誰彼構わず、特に若く見える子らにはとにかく食べさせたがる。一人称は「あたし」


*東風解凍(はるかぜこおりをとく)愛称・東風(はるかぜ)

 立春の初候。男性体。中肉中背で冴えない印象。ワイシャツにスーツパンツ。ネクタイの柄も無難な物を選ぶ癖がある。真面目で、周囲が遊んでいる時も仕事をこなす。その反動か酒癖は悪く、泣き上戸。一人称は「わたし」


*黄鶯睍睆(こうおうけんかんす)愛称・黃鶯(こうおう)

 立春の次候。両生体。体は細身の男性だが首から上は女性のため、低めの女の美声を持つ。金髪で、耳にはエメラルドのピアス。着物は裾を燕尾服のように切ったものを着用している。踊りや歌が大好き。歌い踊る姿はまるで宝塚の男役。一人称は「ぼく」


*魚上氷(うおこおりをいずる)愛称・魚子(うおこ)

 立春の末候。女性体。年は十六七くらい。食欲旺盛な元気娘。魚が大好き(いろいろな意味で)。良く動き回るため、ポニーテールが常に揺れている。一人称は「あたし」



*雨水(うすい)愛称なし

 二番目の二十四節気。男性体。銀髪を顎の高さで几帳面に切りそろえ、毛先に無数の小鈴をつけている青年。声はなめらかなテノール。暦たちの中でもカリスマ性はトップクラス。観葉植物が好きで集めている。一人称は「僕」


*土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)愛称・土脉(つちのしょう)

 雨水の初候。男性体。中学生くらいの見た目。雨水を真似たおかっぱ頭だが少々くせっ毛。雨水に憧れている。真面目だが不器用で、雑なところもある。一人称は「ぼく」


*霞始靆(かすみはじめてたなびく)愛称・霞(かすみ)、朧(おぼろ)

 雨水の次候。男性体。秋季の暦・蒙霧升降ふかききりまとうの兄。一人の体に二人いる。日の出から日没までは霞、日没から日の出までのあいだは朧が出てくる。

 霞……垂れ目の目じりに二本のしわが刻まれていて、優しい雰囲気。話し方もやわらかい。ライトグレーのスーツ、ネクタイは猫の肉球柄。一人称は「僕」

 朧……霞の時より若干釣り目になる。ダークグレーのスーツ、ネクタイは大人びた猫のシルエット柄。一人称は「私」

 無類の猫好きなところは二人とも変わらない。


*草木萌動(そうもくめばえいずる)愛称・草木(くさき)

 雨水の末候。男性体。中学生くらいの見た目。萌黄色の髪を重力に逆らわせたやんちゃ坊主。人懐こく、不真面目に見えてやるときはやる。一人称は「オレ」



*啓蟄(けいちつ)愛称なし

  三番目の二十四節気。男性体。年は三十路前後、黄土色の髪、ほくろが散った塩顔。人が良く部下にも舐められがち。清明のメンバーと仲が良い。一人称は「おれ」


*蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)愛称・虫啓(むしひら)

 啓蟄の初候。男性体。秋季の暦・蟄虫坏戸むしかくれてとをふさぐの兄。うだつが上がらないタイプ。不真面目ではなかったが、亥神にはねられてからは仕事を投げ出して同僚の桃と恋の虜に。一人称は「おれ」


*桃始笑(ももはじめてさく)愛称・桃(もも)

 啓蟄の次候。女性体。愛らしい顔立ちでスタイルも良い。桃色の髪をツインテールにしている。亥神の犠牲者の一人だが、はねられる前から仕事熱心ではなかった。今は同僚の虫啓にぞっこんラブ。同じく同僚の菜虫とは言いたいことを言い合える仲。一人称は「あたし」


*菜虫化蝶(なむしちょうとなる)愛称・菜虫(なむし)

 啓蟄の末候。女性体。見た目は二十歳前後で、お気に入りの淡黄色の羽衣を身に着けている。明るく愛想も良いので皆に好かれ、つばきとも気軽によく話す。啓蟄メンバーで最もまともな常識人で苦労人。一人称は「私」



*春分(しゅんぶん)愛称なし

 四番目の二十四節気。男性体。身長は百八十センチあり、引き締まった体、端正な顔立ち。女物の小袿を着て薄紅色の下げ髪を尻まで波打たせているが、これは本人が「春分といえば春の象徴、上司の春は女神なので、イメージ的に女っぽくしていたほうが映える」と考えたからである。しかし化粧はしていない。清明・秋分と仲が良い。一人称は「俺」


*雀始巣(すずめはじめてすくう)

 春分の初候。前任者。茶髪。趣味はあみぐるみを編むこと。亥神にはねられ消えた。一人称は「ぼく」


*桜始開(さくらはじめてひらく)

 春分の次候。両生体。上半身は男性、下半身は女性。艶のあるまろやかな男の声で話す。蘇芳色すおういろに桜模様の小袿こうちぎを着て、薄桜の下げ髪を綺麗に後ろに流している。一人称は「私」。


*雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)

 春分の末候。男性体。秋季の雷乃収声かみなりすなわちこえをおさむの兄。雲を衝くような大男。ひげ面で、声は野太く声量がある。大抵のことは気にしないが、怒ると雷が落ちる。一人称は「おれ」。



*清明(せいめい)愛称なし

 五番目の二十四節気。男性体。つばきの上司。その名のとおり清浄明潔しょうじょうめいけつで、所謂スパダリタイプ。髪は黒髪ロングストレート。紺色の袍を着ているため平安貴族のような雰囲気がある。一人称は「私」。


*鴻雁北(こうがんかえる)愛称・鴻(おおとり)

 清明の次候。男性体。秋季の鴻雁来こうがんきたるの兄。筋肉馬鹿の一人。スポーツマンに見えるし、実際に運動は得意。暑いのが苦手なので着物の袖は取ってしまった。一人称は「オレ」


*虹始見(にじはじめてあらわる)愛称・虹始(こうし)

 清明の末候。男性体。冬季の虹蔵不見にじかくれてみえずの兄。お洒落男子で、毛先はピンクのふんわり金髪ショートヘア、耳には紫色のピアス、唇にはオレンジ色のルージュ、ネイルは明るい緑色。流行にも敏感なため、女子とも気が合う。嬉しくなると虹を出す。一人称は「ボク」。



*穀雨(こくう)愛称なし

 六番目の二十四節気。男性体。見た目は四十前半。青緑の長い前髪が目を覆い隠して、口もとしか見えない。時間厳守だがうっかり屋な一面も。説教はくどくどネチネチ言う。一人称は「俺」。


*葭始生(あしはじめてしょうず)愛称・葭(あし)

 穀雨の初候。両生体。最初は男を選択したが、後々女になりたくなって今に至る。年は大学生くらい。健康的な肌色の細面に黒縁めがねをかけ、髪は上が赤褐色、下が淡黄色のツーブロック。服装は緑の線の入った黒ジャージ。趣味・特技はリサイクル。一人称は「オレ」。


*霜止出苗(しもやみてなえいずる)愛称・苗(なえ)

 穀雨の次候。女性体。五、六歳で、お稚児さんの格好をしている。瞳の色は薄いレモン色。キンキン声で舌っ足らずな甘えん坊。黄緑色の髪をハートのお団子の形にして頭のてっぺんに乗せている。髪は同僚の牡丹に結ってもらう。一人称は「あたち」


*牡丹華(ぼたんはなさく)愛称・牡丹(ぼたん)

 穀雨の末候。女性体。暦三代姐さんの一人。見た目は四十前半くらい。女性の中では高身長でスタイル抜群。着物をリメイクしたトップスとジーンズを楽に着こなし、その時代の流行を取り入れた化粧を楽しむ。趣味・特技はネイル。一人称は「アタシ」。


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