第27話 七瀬奏を狙う目的

一宮の親父の達と話をしたが。

達は息子しか見てなかった。

つまり被害者の俺達を見てない。

俺は眉を顰めながら考えていると夜、横須賀がいきなり家に来た。

それから涙を浮かべる。


「今更だけどゴメンなさい.....」


横須賀は涙を流しながら謝罪した。

何がどうした、と思っていると破顔している横須賀はこう話した。

私は常盤さんと同時期に一宮の妹さんや一宮などに洗脳を受け今に至った、と、であるが。

え、と思いながら横須賀を見る。


「彼は悪魔だ。本当に。あの学校。今文化祭中だから誰でも入れるから。スパイ活動みたいなのをしていたみたい。女性達を手玉にとる悪魔だと思う。私も嘗ては試験勉強の意味で嵌められた。彼の狙いは恐らくは七瀬さんだから」


俺は愕然としながら横須賀を見る。

そんな横須賀は七瀬が暴力と権力での狙いだ。

そう言う。


俺は顔を八鹿と見合わせる。

私は耐えられなくなって必死に逃げたけど。

常盤さんも他の女子もみんな飲み込まれた、と話してくる。

彼は以前から鬼畜なサイコパスだ、と必死に涙を浮かべる横須賀。


「当時、彼の妹さんに頼まれて勉強を教えに行ったのが運の尽きだった。私を束縛してから帰さなかった.....から。親にも試験勉強の教えていると、そう説明しろと指示されていた」


「おかしいだろそれは。何故警察に行かないんだよ!?」


「か、彼は私も常盤さんも痛めつけて支配した。私自身の身体が拒否したの。ま、万が一警察なんて言ったらどうなるか」


何故常盤は警察に言わなかったのか。

すると、信じられない、と八鹿は顔を青ざめて気分が悪そうに反応する。

俺はその姿を見ながら横須賀を見る。

横須賀の手に確かにアザが僅かに見える。

俺は横須賀に向く。


「横須賀。このままじゃお前死ぬぞ。マジに警察行こう。せっかくお前は逃げたんだから」


「大丈夫。わた.....」


「横須賀!」


俺は横須賀に大声を上げた。

横須賀はハッとしながら顔を上げる。

それから俺を見る。

そして横須賀はまた泣き始めた。


「彼は話術が上手い。言葉巧みに言い寄ってきて金も力も全てを巻き上げる。絶望しかない」


「万が一.....死人が出たらどうする気だ?」


「彼は直接手を下してない。彼は指示をしているだけ。今は恐らくの、や、薬物を飲ませるのも」


有り得ないんだが。

外道かな?、と思いながら青ざめる。

絶望どころか。

外道過ぎるんだが。


思いながら退席する八鹿に、大丈夫か、と聞きながら横須賀を見る。

横須賀は、本当に希望が見えないんだ、とガタガタ震える。

和宏さんでも良いから訴えないとかなり今の状況はマズイ気がする。


「捕まえるにはマジに十分だ。取り敢えず警察に行こう。和宏さんでも良いけど」


「お兄ちゃん.....」


「もう我慢ならん。取り敢えず」


「だね.....」


それから俺達は明日、警察署に赴く事にした。

因みにその前に和宏さんに電話して相談をしてみた。

和宏さんは、明日、警察署で待っている、と返事をくれて。

取り敢えず何とかなりそうだ。



翌日の事だが。

俺は外を出てから学校に向かっていた。

学校はまだまだ活発な感じだ。

しかしまさかこんな事になるとはな、とは思う感じだ。

横須賀がこんな目に遭っているとは、と。


「まあ.....」


取り敢えず警察に訴える事にはなった。

これで安心かな、とは思う。

考えながら居ると。

あの。すいません、と声がした。

背後を見ると見知らぬ女子生徒が2名。

ん?


「長谷先輩ですよね。その。七瀬さん知りませんか」


「七瀬?七瀬がどうしたんだ。今日は生徒会の仕事で早めに出るって聞いたぞ」 


「え?そうなんですか?.....その。朝から彼女の姿が見えなくて」


え、と俺はゾッとした。

まさか、と思いながら、である。

それから女子生徒を置いてから駆け出す。

すると背後から、仁!、と声がした。

智和である。


「智和!今は忙しい!すまんが」


「待てって。この街の跡地は知ってるか」


「跡地がどうしたんだよ。4箇所あるぞ」


「そこに連れて行かれたと思う。七瀬さんは」


「何で知ってんだ!?」


それは聞いたから、だ。

智和は真剣な顔で答える。

するとクラスメイトが顔を見せる。

城島渚(じょうしまなぎさ)。

なよっとしたおかっぱ頭の男子高校生だが.....え。マジかよ。


「誘拐される現場を見た.....から」


「マジか.....サンキューな。ならいっ.....」


「待て待て。お前だけで行くな。俺らも行く」


智和はそう切り出す。

馬鹿かコイツらは並の問題じゃ無いぞ。

革命を起こした時とは違う。

今回はマジに死人が出るかもしれない。


万が一アイツが。

つまり一宮が関わっているならヤバい。

アイツなら何をしてくるか分からん。


「先生達も連れて行こうか」


「その前に警察は?」


そんな話をするクラスメイト。

マジかコイツらは。

警察は呼ぶ。当たり前だが、と思う。

でも呼んでそのままは良くない。

間に合わないかもしれないのだから。


「先生に告げるのは無しだ。もし先生達単独で動くとかなっても探し当てれないと思う。動くなら俺らだけで動かないと」


「ああ。待っとけとかになるしな。間に合わなかったらマジ意味ない」


「恐らくはそうなったりな。だから俺が行く」


「なら何名かだけで抜けたら良いんじゃね」


私服有るよな?とか話すクラスメイト。

それから教室に色を付けた時に使った服をみんなは持ってくる。

塗装用の服だ。


「これを着ろ。取り敢えず外に出るのに制服だったらマジアウトだと思う。分からなくしよう。一瞬だけでも」


「.....サンキュー。佐藤」


すると電話が掛かってきた。

俺はビクッとしながらスマホを見ると。

非通知だった。

俺は厳つい顔のままスマホに出る。

すると、こんにちは、と声が.....する。


「お前」


『七瀬さんを跡地で預かっています。まあ色々とされたく無かったら貴方だけで来て下さい。僕の彼女に殺されたく無ければ、ですが』


「お前に道はもう無いぞ。一宮。諦めて出て来い。何がしたいか知らんが」


『僕の夢は七瀬さんを貰う事です。全てはその為にあったのかもですね。貴方を絶望に陥れたいのもあります』


「.....貴様.....」


このクソガキ。

彼女。可愛いですから、と笑みを浮かべる様な反応をする。

この外道。


絶対に会ったら一発殴る。

思いながら、早く来ないと死にますよ、と電話は切れた。

クソが!


「警察もそうだが4箇所なら到底回ってたら間に合わない。早く探さないと」


「だな.....急ぐかみんな。別れて出るぞ」


みんなに、本当に巻き込んですまん、と言う。

それから3人1組にするか、という感じになり俺達は動き出した。

それから南門、北門などから人混みに紛れてそのまま学校から私服で脱走し。


そのままこの街の4箇所を攻略する為。

走り出す。

因みに椿が警察を呼んだ様だった。

サイレンの音が響く。

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