応援コメント

誰にもできない役目 第八話(完結)」への応援コメント

  •  この作品は公開されてすぐに一度読んだのですが、この作品の大部分が、どう見えても民主主義じゃない国家が、民主主義らしき茶番を演じるために準備し、実行するくだりについて描かれているのに対し、最後だけ突如としてリーナ公女がその茶番を見抜く話にシフトするので、どっちがメインなのか判断がつかず、なんとコメントしていいか分からなかったんですよね。

     そもそも、そこで混乱した理由の一つは、この作品が賢いヒロインコンテストでしたっけ? あれに応募していたのもあって、あれ、この話、リーナが主人公なの? と、結構あれに引っ張られすぎた気がする。

     そうした周囲の余計な情報に惑わされずにちゃんと読めば、実際にメインにしたいのは、おそらくディマの中間管理職的な部分なのでしょう。だから前半は無意味に抵抗するピューローに手を焼くシーンがあり、最後には企画した茶番を見抜かれる危機が来る。
     ただ、リーナ公女に茶番を見抜かれることが、ディマの仕事にとって特に都合が悪いわけではないので(見抜いても、そのことをことさら騒ぎ立てるような人物には見えないし、実際しない)、そこで緊張感が生まれないんですよね。

     見抜かれたら絶対にまずい相手なら、緊張感とドラマが生まれるわけですが、そこでドラマを作るのはこの作品の本筋じゃないでしょうから、その展開は却下。リーナには見抜かれるけど、それがディマの危機になるわけではない点はあまり変えたくないところ。でも、それならそれでそのシーンが活きるようにしたい。

     おそらく、ですが、ピューローを引っ立てるシーンの後、ピューローに何をやらせるつもりか説明する中間の部分を飛ばして、すぐ裁判のシーンを始め、そこでリーナが、これが茶番であることを見抜き、ディマがリーナに対して「実はあいつは抽選で選ばれて連れてきたばかりの農夫なんスよ」という説明をすることで、読者は前半になんでピューローを引っ立てていたかがわかる、という構成にしたほうが、リーナが茶番を見抜くシーンも活きてくるし、作品の構成としてもより良くなるんじゃないかと思います。
     なんでピューローを引っ立てたかという謎を読者に残したまま裁判のシーンにすることで、それを見抜くリーナに華を持たせることもできるし、また、そうすることで、さっきまで連行されるのをすんごく嫌がっていたピューローが、ノリノリで立派に裁判長を演じている姿のギャップもより際立つんじゃないかと思います。

     そもそも、あの引っ立てるシーンから裁判のシーンになったら、読者は絶対ピューローが裁かれる側だと思うでしょう。その思い込みを利用して、実は逆だったとするのはなかなかネタとしてはおいしいように思います。
     この勘違いを利用するなら、極刑を宣告される側にピューローっぽい人物を入れておくのも手ですね。

    作者からの返信

     ご指摘の通り、この作品も初めと終わりを決めてしまって、苦手な中間部分を無理やり書いてしまっているような感じです。ヒロインコンテストに応募することもあって、話の筋道を強引に決めてしまったのを覚えています。式が始まるまでの中間の部分は自分でも面白くないと思っているので、もう少し、簡略化できないか、考えてみます。皇女に花を持たせるのではなく、序盤の勢いを生かした展開にした方が良かったかもしれません。

     余談ですが、この作品を発表して数日くらい経った頃、ひとり分のアクセス数が付いたとき、「あっ、今、カクヨムのスタッフが読んでくれてるのかも!」と、勝手に勘違いして喜んでいたのを覚えています。本当は涼格さんが読んでくださってたんですね。ある意味、驚きです。ありがとうございました。

     数年前に初めて作品を読んで頂いたとき、「自分の作品への愛着が足りない」と指摘されたのを覚えています。この作品もその辺が反省点になりそうです。また、がんばります。