旅中、朝方SAより

朝方ふと車を止めて

気付けばまたここかと苦笑い

結局「疲れた」と思って辿り着くのはここ

朝方SA


人一倍敏感に生きてきて

人二倍誰かを傷付け傷付いてきた

誰かを救いたかった

それももう過去の話


「自分勝手に生きたかった」って

自分勝手に生きてきた奴を何言うんだと

赤らむ空に嗤い飛ばすけれど

その空もどこか眩しく見えたんだ


過去を美談にする気はさらさら無いが

認めないと進めるものも進めない

悔やみきれない失敗は今だってする

その過去達に救われたこともまた


どうせこの旅独りならと好き勝手走ってきた

褒められた人間にはなれなかった

小さい頃憧れ目指したあの姿にもまた

だけど不思議と後悔はしてないんだ


相変わらず湿気た痛しい言葉を今日も書いて

誰かに嗤われそうな生き方

だがそれ故の出会いに別れ

「色々あったな」と片付けるには惜しい旅路


「どうせすぐ終わるだろう」と思ってたのに

気付けば遠く走っていた

案内看板なんか無いのにまたここに来ちまった

やっぱりここの景色がわいは忘れらんないよ


泣きっ腫らした時に見た空の碧を思い出す

それを赤く染めてく朝日が眩しかった

いつか「ざまあみろ」と言える日を待っていた

「生きてて良かった」って言える日を探していた


遠くまで来たもんだ

もう何度目かの呟き

何も考えずに見る朝日はどこか違って見えた

あの最悪だった日々をどうにか生き抜いたのだ


どうせ嵐はまた訪れる

希死念慮に駆られる深い夜もまた

そしてまた悩んで泣く日が来るのかもしれない

でも「それも悪くないか」と思ってるわいがいる


地平線から太陽が「今に見てろ」と顔を出した

「やれるもんならやってみろ」と笑い返してやる

僕はまた旅に出る

宛のない傷心高速道路を走り出す


ここからどこに向かうのか僕も知らない

だけど他に誰も居ないからこその無謀な旅だから

どうせいつか死ぬのなら

僕であることを後悔しないように終わりたい


この旅は、そんな

いつ終わるか知らない僕自身の終活なのだ

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