会いたい、はなればなれの君へ

心を出世させるためには、視野の狭さを自覚し、あたりまえを疑って行動し、自分を新しくするための知識を増やすことが大切なことを教えてくれる。

考え方や見方が変わることで、いままで抱いてきたイメージが変わり、過去の自分を救うことで現在の生き方に変化をもたらすことができる。
本作はそういう考え方に近い発想で、他人の過去を解決する作品。

彼女の贖罪として、誰かの悩みを解消させていくのだろう。
自分を救うかわりに困っている誰かを救う。
この考え方は正しい。
誰かを救うことで自分が救われることもあるから。

平瀬成は喜怒哀楽の順番で表現されていて、わかりやすかった。

「僕はとっくの昔に死んだんだ」
彼女もドキッとするけれど、読み手もドキッとする。
読者は主人公側で読んできているので、タイムマシンが偽物だと知っている。
自分が死んだことを知っている前提で話しだし、タイムマシンは偽物だとぶっちゃけてしまうのかと、読み手はあれこれ考えてしまう。
でもそうならないところに、良い意味での裏切られた感があって、彼の過去に耳を傾けてしまう。
場面の見せ方は上手い。
 
どういう意味なのだろうと気になったので読んでみようと思ったから、タイトルの付け方としては良いと思った。