フェンサー
フェンサー。ルールブック上では剣士とも書かれる。
なんと経験値テーブルBで取得できる近接特技。安い。成長させやすいぶん、命中回避の確保がやりやすい。
クリティカル値も常に-1され、クリティカルが出やすいというオマケみたいな特徴もある。
が、あまりにも大きすぎるデメリットを抱える。
それは「必要筋力の半分の装備しか持てないこと」。
具体的に言えば、防具は基本ソフトレザーだし、武器はライトメイスなんて到底持てやしないのである。防護点が当然薄いので、必然的に回避に頼ることになる。
なぜ「剣士」と書かれるかというと、ソード系の武器は必筋が寸刻みで存在し、威力と重量のバランスに優れるからであると思っている。ソードA、ソードSにもそれぞれフェンサー向きの武器があるため、基本的にはソードを選ぶのが無難であろう。1Hソードとバックラーを持ち戦うスタイルが合う。
選択特技で選ぶ幅は広い。
魔法使い系の技能を一緒に取りつつ《魔力撃》《マルチアクション》、将来ランクが自動で上がる《必殺攻撃I》《回避行動I》、HPを補う《頑強》、ランクの高い武器を持つための《武器習熟/ソードA》や《武器習熟/ソードS》あたりをビルドに合わせて組み込んで行く感じがいいだろうか。
フェンサーに適した種族は、器用と敏捷が高い種族。筋力と生命力もあれば嬉しい。魔法戦士をするなら知力と精神力も欲しくなるので、まあその場合、全部だ。
全体的にステータスの高いナイトメアや、運命変転を持つ人間、飛行を持つリルドラケン、リカントあたりが候補として無難なところだろうか。もちろん、他種族でやっていけないことはない。
器用と敏捷を稼ぐ必要がある都合上、フェンサーはスカウトとの相性がいい。何よりも先制判定が大事なこのゲームにおいて、運命変転を持つスカウトフェンサーという存在はかなり頼もしいため、人間をお勧め種族として挙げた。平均的に高いスペックを求められるフェンサーは、優秀なスカウトになりやすい。探索も良い感じにガンガンできるので、道中で腐ることも少ない。スカウトはPTに2人~3人居てもいいため、探索系技能ではスカウトを取得しPTに貢献するのがいいだろう。
さて、フェンサーを扱う上で一つ大きな問題点がある。それはファイター・グラップラーに比べ火力を出しにくいという点だ。向こうは経験点Aテーブルなので当然と言えば当然だが。
それでも火力を出したい、となったときには宣言特技である《必殺攻撃》とともにクリティカルを回す運ゲーに勝ちまくる他に道はないであろう。多分。ただしこの《必殺攻撃》、Iの段階ではフェンサーの貴重な防御力である回避力に-2のペナルティを受けるというリスクも込みで使う必要がある。注意。IIIになるとペナルティがなくなる。
または早めに《武器習熟/ソード》を取って武器性能で押すという選択肢も考えられる。Sまで行けば<ピアシング>が購入でき、この武器は必筋がたったの4で、C値がもともと9。リスクなしで常に必殺攻撃しているのと同じなので、このルートも当然強い。
もしくは火力はそこそこでいいと諦めて、魔法使い系技能をメインに育てて「前衛ができる魔法使い」的な育成を進めるのも十二分にアリである。よく吟味しよう。
総じて扱いが難しめであり初心者にお勧めできるとは断言できないが、経験点Bテーブルで近接特技を扱えるのはフェンサーだけ。しっかりと考慮し計画して運用すれば、見合った働きはしてくれるはずだ。
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