ふしのやまい

赫彩(あかいろ)

4月19日

ぼくは毎日、目が覚めると周りの白い服を着た人が注射をしてくる。

痛いから嫌なのに、どうして毎日やるんだろう。

ぼくの「ふしのやまい」はいつ治るのかな。


注射の後は、ぼくのおでこに熱をはかるキカイをあてる。

キカイが「ピピッ」ってなると、白い服の人が手を動かす。

いつもその人に

「いつぼくは治るの?」

って聞くけど、

「あなたは、ふしのやまいなのよ。だから時間かかるけど、ごめんね。」

ってあやまるんだ。

でも、ぼくは元気なんだけどな。


そのあとは朝ご飯を持ってきてくれる。

ご飯はおいしくて、いつも楽しみの1つなんだ。


それから、ぼくは地下にいく。

地下にいくとぼくは、かべに囲まれた部屋に入る。

周りには青い服のおとながいっぱいいて、ぼくはあの人たちがキライなんだ。


だっていつもぼくに痛いことをしてくる。


今日は体の骨を全部おるんだって。

痛いのいやだな。

早くここをでたいな。



でも今日は痛いことされなかった。

青い服の人が

「キノリ タケオ君だね。君はここを出たいか。合図があるまで待つんだ。」

って言ってて、それからドカーンって音が鳴ったんだ。

いろんな音が鳴ってて、そしたら真っ黒な服の人がぼくを連れ出してくれたんだ。


これでぼくは外に行ける。でも「ふしのやまい」は治さなくていいのかな。



ピピッ、ガー

「こちらムーン。対象を確保。繰り返す、対象を確保。これで我が国にもツキの力が手に入る。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ふしのやまい 赫彩(あかいろ) @akairo3

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ