第2話 またもや転生⁉
「うーん…」
私は長嶋瑠唯奈。昨日転生して、ルイナ・アルべディになりました。
鬼婆のような母親から、どうやって逃げるか…
「あれ?え?」
どう考えても、昨日のルイナのいた場所と違う。
もっと清潔な感じだ。
「ぎゃあ、また…?」
また昨日のように頭に誰かの記憶が入ってきた。
「えっと…ルイナスディ・アーゲルアーカイク・デュナルセーテ。
10歳か。貴族学校…今度は貴族か…に在学中。
寮だから親の情報はいらなさそう。側仕え…なんだこれ…はレーベナディーカと、アウシュザーグ、アウレーレアとビュシュゲレツ…またファンタジーな世界に来てしまった…」
また髪の毛の色をチェックする。今度はツインテールの金髪で、鏡を見ると青い目だ。髪の毛はカールしていて、まるで、見たことはないけれどフランス人形のようだ。
…これ、おろした方が可愛いよね…
試しに目の色と似た青いリボンをほどいて、少し整える。
「お、この方がいいかも」
さっきより大人っぽく仕上がった。
どうやらこの体は大して弱くないようだ。
「…これ、制服かな?可愛い…」
この学校には制服があるようで、そちらも見てみた。
リボンやレースが付いている。
…ん?身分とかあるの?えーっと、1級上流貴族⁉なんか上そう…
わ、領主に一番近い家族なの⁉緊張する…
コンコン。
「は、はい?」
あ…またあの時みたいなことになりそう…
「レーベナディーカです。」
「ど、どうぞ?」
「…どうしたのですか?少し声が不思議な…」
「だ、大丈夫ですわ。」
側仕えの人からして、言葉遣いを改めないとだめだろう。
「あぁ、それなら大丈夫ですわ。
今日は行楽の日ですわ。急いでくださいね。」
「りょ、了解いたしました。」
…行楽?遠足みたいな?…
「い、一日の流れを聞いてよろしいですか?」
「えぇ。
まずいつものように南館で食事を摂り、その後門に集合します。1級貴族以上は側仕えが付いていきます。
その後馬車に乗り、ウォーゲディア山に行きます。
採集と宝石取りを終えたら、帰校します。
その後は授業は無く、夕食と湯浴みの後就寝となります。」
「分かりました。」
…わ、とかりょ、とか言わなくてすんだ。レベルが上がった感じ…
「それでは…もう支度は整っているようですね。南館へ行きましょう。」
「えぇ。」
寮から出て、南館へ行く。知らないはずなのに意味の分かる文字で、「アーゲルアーカイク」
と扉に書かれていた。
そこの扉を開けると、机が学年別に7つあって、一番右端の1年生の…私もう10歳だけどまだ1年生なんだ…机が私たちの場所だ。手招きをしている女の子がいるので、その隣に座る。
「お早うございます、ルイナスディ様。
あ。髪型変わりましたわね…。」
記憶曰く、この子は友達のリュイナレーゼちゃんだそうだ。
「お早うございます、リュイナレーゼ様。
髪型、少し変えてみたのですよ。どうでしょうか?」
「とてもいいと思いますわ!」
少し喋っていると、朝食が運ばれてきた。
キジリというキイチゴのような実のジュースと、鳥を焼いて炙ったものと黄色いレタス、チョンデという緑のかぼちゃっぽいトマトのサンドイッチだ。
「いただきます。」
…わぁ!美味しい。さすが貴族。高クオリティー…
シンプルなのにお肉が美味しい。レタスもパリッとしている。
食べ終えると中庭に移動し、バスレベルに大きな馬車に領地別に乗った。
白馬が牽いていて、とても素敵だ。
20分と少し経ち、ウォーゲディア山に着いた。
男子と女子に分かれて、植物の採集に行く。
家政科の授業で作ったらしい籠バッグを持ち、花を摘み始める。
…すごい楽しい。前世だと出来ないことだよね…
「ルイナスディ様、ここに綺麗な鳥がいます!」
「本当だ…。とてものどかで綺麗ですね…!」
綺麗な空気を吸っていると、宝石取りが始まった。
何とこれから行く池に潜って、宝石取りをするらしい。
…池に潜るんだ…。どんな感じかな?…
「着きましたわ」
リュイナレーゼちゃんと潜る。
「きゃあ⁉」
何と、池の深くまで潜るにつれて私たち2人の輪郭が薄くなってきているのだ。
でも、他の人は全く変化していない。
「わたくしたち…幻影でしたの⁉」
「ど、どういうことですの⁉」
「幻影は、本体よりも魔力濃度が高いことで本来の影のような存在なのに本体のようになってしまうことだそうで…その時は誰もきずきませんが、この採集で池に潜ると、本体と入れ替わって意識のない影に戻ってしまうのです!」
「きゃぁ…」
「いやぁ~~~!」
もうほとんど見えなくなった私たちの声は、誰にも聞こえない。
………どうなっちゃうの…………?
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