今はまだ。君へ
今日も体調はそんなに良くない。
頭は良く働かないし、ずしんと重い。仕事もはかどらない。昨日のことは体調不良のおかげで忘れていた。
しかし、思いの外にリベンジは早くやって来た。
この前は何だかすみません。実は怪我をしてまして、仕事を休ませて頂いてました。暗くなっちゃうかな、と思いまして曖昧に返事をしてすみません。
なんて真面目な人なんでしょうか。と思った。いつも感じていた誠実そうな印象をより深くさせた。
そうだったんですね、お体はもう大丈夫ですか。
はい、おかげさまで。ただ筋肉が痩せちゃって仕事がきついです。
はにかむ顔が可愛らしい。
無理せずゆっくりで良いんですよ。焦る必要ないです。
笑顔で返してみた。
それが家族が増えまして、
ええ、、、何故か凄く残念な気持ちになったが、直ぐに次の言葉で自分の想像が違うことに気付く。
猫を保護したんですが、ペット禁止のアパートだったので交渉したんです、それで敷金3ヶ月分払うことでOK貰えて。他にも動物病院って結構お金掛かりますし。休業もしていたので何かと入り用で、ですから今まで以上に頑張らないと。って感じです。
小さく胸の前で手のひらを握って言う。
なんて優しいのでしょうか。と思った。ますます好感度が上がってしまった。
うん、うん、色々あったんですね。でも体が資本です。お兄さんが体調壊しちゃったら猫さんが困っちゃうんですよ。無理は禁物です。
と、お兄さんが時計を気にしているのに気が付く。
すみませんお時間取っちゃって。お仕事の最中ですもんね。
いえ、話し始めたのは僕なので、ありがとうございました。またお願いします。失礼します。
はい、こちらこそ。
出来るだけ笑顔で。
足早に階段を降りて行く音が聞こえた。
沢山話せたな。むふふと笑みが溢れた。またお話し出来たら良いな。
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