第671話 戦場のララバイ (3)

「え~、那須さんって弓道のインターハイ個人で優勝したの?凄いじゃない。名実共に高校生ナンバーワン、憧れるよな~。」


「そうだよね、俺たちの中で那須さんに並べるのって鈴木位じゃないか?」


「そうだよな。知名度では田中の奴も結構なもんだけど、まだ優勝経験はないもんな。」


「いえ、私なんてまだまだで、その、あの。」


「那須さん、落ち着いて。ゆっくり話しをしてくれればいいんだから。」


「そうだよ、練習だと思って、失敗したっていいんだから。」


「那須さん、頑張って。」


「ひゃ、ひゃい。」(///)


「「「可愛い~♪」」」


「田中さんってあの甲子園の星、豪腕の田中さんですよね?」


「きゃ~、私ファンなんです。握手してもらってもいいですか?」


「あぁ、別に構わないよ。俺なんかよりそれぞれの分野でメダルを取ってる君たちの方がよっぽど凄いんだから、こちらこそ光栄だよ。」(ニッコリ)


「「キャー、田中さん素敵♥️」」


「佐藤君、この前はありがとうね。佐々木君に聞いたんだけど、あの練習試合、元々佐藤君が提案してくれたんでしょう?」


「私達も男子と交流戦をする機会なんて今までなかったから、凄く刺激になったんだよね。」


「篠原さんに沢田さんだよね。練習試合の時と雰囲気が違うから最初分からなかったよ。あの時も凄く格好よかったけど、普段はとってもチャーミングで綺麗なんだね。そのギャップも素敵だと思うよ。二人の事はよく覚えてるよ、Sakiイベントの常連で常にトップを走ってたもんね。その二人がインターハイ優勝。同じく佐久間中学校出身者として誇らしいよ。俺も早くその世界に行ける様に頑張るよ。」


「「佐藤君~♥️」」


「鈴木さん、インターハイ四百メートル決勝、見てました。本当に僅差でしたよね、私見ていて悔しかったです。」


「ありがとう。でも上田さんも女子の四百メートル決勝出てたじゃない。順位は惜しくも五番手だったけど女子の選手層は男子とは比べ物にならない位厚いからね。立派だと思うよ。」


「でも千五百メートルは圧巻でした。他者を引き離しての堂々の優勝だったじゃないですか。」


「あ~、正直あれはレベルが低いというか。男子ってあまり目立たない競技に力を入れないんだよね。マラソンと違って千五百って競技的にあまりパッとしないでしょ?だから選手層が薄くて。あれだったら後藤の方がよっぽど早いから。

おーい後藤、そんなところに居ないでこっちに来いよ。お前の憧れの兵頭さんがお話ししてくれるぞ。」


「馬鹿、お前それを言うなよ。恐れ多いだろうが。」


「なに照れてるんだよ~。正月に会ったときに関東大会であった兵頭さんがいかに美しかったかって熱心に聞かせてくれたじゃないか。」


「マジお前いい加減にしろよ。兵頭さんが俺なんかに変な目で見られてるって気分を害したらどうするんだよ。あの、本当にすみません、単なる一ファンですので、決して兵頭さんが気分を害する様な真似は致しませんので。」


「いえ、あの、その。嬉しいです。」(///)


「あ、その、それでしたらよかったです。」(///)


元スポーツ専科の超絶猫被り、アオハルだね~。善きかな善きかな。

あ、すみません、フロントですか?

注文をお願いします。コーラが六つ、レモンソーダが四つ、ウーロン茶が二つ、メロンソーダが二つです。後山盛りフライドポテトを三皿、大皿唐揚げが三皿、エビサラダが三皿、スナックバゲットを三つお願いします。

はいみんなもカラオケに来たら歌わないと。リクエストを出して出して。

まず最初は俺からね。hiroshi君の“Summer Beach”、歌いま~す。

“眩し~い太陽の下~で 君と二人で遊んだ~”

宴会番長のっぺり佐々木、盛り上げ役として裏方に徹するのであります。(敬礼)




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