第670話 戦場のララバイ (2)
「いらっしゃいませ。」
今日は連休の最終日。世間では休日を楽しんで旅行に行ったり買い物に出掛けたり。
そんな中私と来たら笑顔で出迎える側って、なんでこんな日にバイトを入れちやったかな~。全てはhiroshi君のコンサートチケットの為なんですけど!
私にここまで貢がせるなんて、悪いお・と・こ♥️
でも私も遊びたい~!!
「いらっしゃいませ。」
それにしても今日はお客さんが多いわよね、連休最後だから近場で間に合わせようって感じなのかしら?
「いらっしゃいま・・・せ。」
えっ、なになになに、確りした身体付きの筋肉系イケメン!?坊主頭がとってもワイルド。
後ろからはサラサラヘアのスポーツマンイケメン!?うわうわうわ、肉体美イケメンが次々とって、これって何のドッキリ!?私今日死ぬの?
「なぁ佐々木、受付の女性が固まって動かないんだが?」
あぁ、吉村は初めてだったな。ここのカラオケ、俺らが来るとこうなるんだ。
「「「うんうん、正月の時もこうだった。」」」
「マジかよ。受付としてそれってどうなのよ。」
その辺は大丈夫、そろそろベテランさんが来るから。
「ちょっとあなたなにやってるのよ。確りしなさい。」
“パンッ”
「はっ、いらっしゃいませ。ワイルド系イケメン様一名、スポーツ系イケメン様四名、キラキライケメン様一名、計六名様ですね?」
「「「ブフォ、流石部長、安定のスルー。」」」
やかましい!
あ、すみません、予約を入れています佐々木と言いますが、連れが来ていると思うんですが・・・。
「あ、佐々木君達もいま来たんだ。私たちも丁度着いた所だったんだよ。鬼ごっこ同好会の皆久しぶり~。一年振りかな?皆凄く立派になっちゃって、ビックリしちゃった。はじめ誰だか分からなかったよ~。」
そう言いにこやかに手を振り近付いて来る美少女。あんた誰?
「もう、なに言ってるの?篠原由美子に決まってるじゃない。佐々木君ったらいつも冗談ばかり言うんだから。」
だから誰?篠原ってあの篠原?女バスのエースの?
「もう、なに言ってるの?雪も何とか言ってあげてよ。」
「そうだよ佐々木君、あんまり由美子をからかったら可哀想じゃない。でも今日はありがとうね、皆楽しみにしてたんだよ?」
「「「佐々木君、今日はありがとう。」」」
だからお前ら誰だよ!?
“ガシッ”
「私たちは何時も通り、そうだよね♪」(ニコッ)
“ギチギチギチギチ”
はっはい、そうですね、皆さんは何時もおしとやかでお美しいですもんね。ごめんごめん、私服姿を見たのが初めてだったんで分からなかったよ~。
よくお似合いです、ですのでその手を離していただけると助かります。
それでそれぞれの自己紹介は部屋に入ってからでよろしいでしょうか?
お前らもそれでいいよな?
「あ、あぁ。取り敢えず落ち着いた場所に移動しよう。さっきから回りの視線がヤバい。」
そう言われ回りを見回す。そこは修羅の国、この場の
あ、お姉さん、案内をお願い出来ますか?全部で十四名です。
「ハイハイ、いま案内するわね。ってあんた顔が怖いわよ、こっちの担当は私がするからあなたは一度顔を洗っていらっしゃい。睨み付けながら涙を流す人間なんて初めて見たわよ。
お客様、本当に申し訳ありません。」
深々と頭を下げてから案内をしてくれるベテランさん、ご迷惑をお掛けします。
ではご紹介致します。こちらは元佐久間中学校鬼ごっこ同好会のメンバーで、手前から田中・木島・後藤・佐藤・鈴木・吉村です。
「あ、どうも田中です。野球部やってます。去年は頑張って甲子園に行きました。よろしくお願いします。」
「俺は木島って言います、野球部やってます。田中には県大会の決勝で負けました。」
「後藤です。陸上部です。俺は関東大会までかな。メダルには届かなかった。」
「佐藤です。バスケやってます。俺も関東大会までだった。全国の壁は厚いよね。」
「鈴木です。俺は陸上やってます。四百と千五百で全国行きました。」
「吉村です。俳優やってます。何本かドラマに出てるかな。」
「「「お前だけ別格かよ。」」」
あの、ここにもう一人芸能人がいますよ~。お茶の間の箸休め、のっぺり佐々木君ですよ~。
「「「部長は別枠。」」」
なんか扱い酷くない?おじちゃん泣いちゃうよ?(T T)
「じゃあ今度はこっちの自己紹介だね。私は篠原由美子、バスケットをやってます。四辻学園の佐藤君とはこの前練習試合で一緒だったよね。今日はよろしくね♪」
「次は私ね、沢田みゆき、同じくバスケットをやってます。佐藤君、この前はありがとうございました。部員の皆もあれから更に気合いが入ったって喜んでいたよ♪」
「私は兵藤雪、陸上で短距離をやってます。後藤君と鈴木君はもしかしたら大会で会ったことがあるかも。よろしくお願いします。」
「私の名前は上田知佳です。陸上で中距離やってます。あの、よろしくお願いします。」(///)
「初めまして、那須葵です。あの、私、あまり男性と話しをしたことがなくて。その、優しくしてください。」
「「「ブフォ」」」
「もう、葵ちゃんったら大胆なんだから。私は内海美月、柔道やってます。こう見えてもそこそこ強いんだから。よろしくね♪」
「私は一ツ橋彩夏、水泳をやっている、います。よろしくお願いする、します。」
なっ、ちょっと待とう篠原、見た目や話し方の印象の事はこの際置いておこう。なんでここに那須葵さんがおられるのでしょうか?彼女確かひろし君ガチ勢だったよね?
それに彼女の友達のお二人もガチのイケメン狙い、Aクラス本気勢だったよね?
「う~ん、佐々木君ちょっとこっちに来てくれる?」
(小声でこっそり)
“あんたね、鬼ごっこ同好会のレベルの高さを忘れたの?前も言ったけどあんたら身体能力化け物だからね?それに各分野でかなりの活躍をしてるのよ?うちらにしたら最高級男子間違い無しなのよ?来ないなんて選択肢があると思う?葵ちゃんは男子との接触に慣れるって意味合いが強いけど、あんたらのスペックが想像以上で恥ずかしがってるのよ。隣の二人は葵ちゃんの付き添いって感じで付いて来たんだけど、あんたらを見たとたんガチモードに入っちゃったわよ。私も忙しいんだからあまり呼び出さないでよね。”
りょ、了解であります。御武運を。
俺は大人しく
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