第669話 戦場のララバイ

のっぺり>

てな訳で合コンのセッティングを頼まれたんだけど、お前らどうよ?


球児>

同世代との戯れ、俺にはない生活だなぁ。(T T)


打者>

連休最後の日なら休養日だから空いてるよ。


走者>

その日なら俺も行けるな。インターハイの話しは聞いてみたいかも。


二冠>

俺も行けそう。同じく休養日。


バスケ>

アイツら目茶苦茶強かった。部長、なんかやっただろ、ウチの顧問が放心してたぞ。


のっぺり>

時々Saki様イベントと体力測定ランフルバーストを。最近は二時間耐久について来るようになってた。


球児>

出たよ黒幕。


二冠>

おかしい奴の背後には必ず部長の影が。


役者>

なになに、楽しそうじゃん。俺も行っていい?


走者>

お久。お前スケジュール取れるのか?


役者>

漸く業界が落ち着いてきた。その日はオフ。


騎士>

悪い、連休は家族と出掛ける。俺は出れん。


走者>

騎士はゆっくりしなよ。忙しさ尋常じゃ無かったんだから。


打者>

そうだな、お前はしっかり休め。西城講師にヨロシク。


二冠>

DVD、ウチの学校でもお世話になってます。お陰で女子暴走事件がなくなりました。西城講師に感謝の言葉を。


バスケ>

ウチも同じく。顧問が泣いて喜んでた。西城講師に感謝を。


騎士>

了解。伝えておく。


のっぺり>

じゃそう言う事で。こっちは調整しておく。場所は正月のカラオケね。


球児>

了解。


打者>

OK。


走者>

分かった。


二冠>

それじゃ当日。


役者>

アニソンしか知らないんだが。


バスケ>

それでいいのか人気俳優。


よし、セッティング終了。後は篠原達に伝えておしまいっと。アイツらしつこいしつこい、四辻との練習試合以降圧力がですね~。

女バスコーチが飲み会でいい雰囲気だったって生徒の前でノロケルもんだから余計にですね~。後から聞いたら四辻の顧問って基本相手に優しく接するらしいし、コーチの先走りだと思うんだけどな~。

それは言わぬが花だな、うん。口は災いの元、オレガクシュウシタ。(ガクブル)


朝の通学路、四月もそろそろ終わりを迎え新入学生徒達も今の生活に慣れてきた今日この頃。そう言えば先週末に恒例のキャンプ学習があったんだったよな。今年は事件らしい事件も起こらなかったとか、ゲーム的には絶好のイベントチャンスって事を考えると、本当に神々のちょっかいは終わったらしい。あんなんこれ以上続いたら身が持たんわ。

篠原~おはようっす。四辻との練習試合ではご活躍だった様で。

俺は前に見えた女子バスケットボール部の篠原に声を掛けた。


「オイッスのっぺり。“ガシッ”例の件どうなってるのよ。あれから音沙汰無いじゃない、ワタシ待ってるんだけど?」


力強い強い、肩肩、食い込んでるから~。落ち着け~、連絡はついたから。連休の最終日、そちらのご予定は?


「よくやったのっぺり!予定?最優先で空けるに決まってるじゃない。で、メンバーはどうなってるのよ。」


西山君と木村君以外の鬼ごっこ同好会メンバー。俺を入れて七名?佐久間駅の駅前のカラオケって事で話ししてあるけど。


「よし、こっちの選定は任せておいて。細かい事は後でレインするね~♪」


うわ、超笑顔。さっきまで背後に見えていた般若が天使にジョブチェンジしてるし。やっぱ女子え~。

俺は女子野獣生態狩猟本能に改めて戦慄するのであった。



あ~、平和って素晴らしい。

時は移って五月の連休最終日。佐久間駅駅前の石のモニュメントの前で佇む男、どうも、俺です。

思い起こせば今年度も初っぱなから色々有ったな~。ひろし君はパワーアップしてるし、変な新入学生はいるし、終いにはギャルゲーに乙女ゲーム?意味分からない。しかも解決の為とはいえ黄泉に赴くってどんなラノベの主人公?これだけで一冊書けるよね。家に帰ればユーロッパ王国の第二王女が花嫁修業してるし、隣の家には変な外国人が引っ越してくるし。

そう、お隣に引っ越して来ちゃったんですよ、ジョアンナ・マーシャル変な外国人が。

朝家を出たらいるんだもん、満面の笑みで“おはようございます。今から学校ですか?よかったらご一緒してもいいですか?”って待ち構えてるんだもん。

学園の駅で降りて駅前で分かれたら黒塗りの高級車がお迎えに来ていてそれに乗って何処かに走り去るって、理解の範疇天元突破よ?ストーカー超怖い。家全体に盗聴盗撮防止結界を張ったのは言うまでもありません。防音効果はデフォルトです。


「オッス部長、なに黄昏てるんだ?目が死んでるぞ。」


おう、高校球児、早かったな。なに、年上のストーカーについて少しな。まだ実害はないんだけど色々有ってね~。


「あぁ、お姉様方は行動的だからな。肉体イケメンだったか?お前も色々大変なんだな。」


いや、田中には負けるよ。よくこれまで無事でこれたな。


「なんか協定ってのがあるらしい。一応プライベートには配慮してくれるんだと。その代わり月に一度のお食事会ファン交流会がな。」


「「アハハハハ」」


「おはようってどうした、部長と田中。負のオーラが半端無いんだが。周辺から人が逃げてるんだが!?」


あ、おはよう。お前ら全員揃ってるのか?後は吉村だけか?あ、来た、吉村早かったな。


「悪い悪い、俺が最後みたいだな。お前ら久しぶり、正月来れなくてごめんな、俺が言い出しっぺだったのに。」


「おう、吉村お久。その件は気にするな、突き詰めれば部長が悪い。」


「そうだよな、騒ぎの原因には大概部長がいるよな。部長って悪の首領か何かなのか?」


「だったら俺らは戦闘員か?“イ~!”とか言わなきゃ駄目か?」


ほら、馬鹿言ってないで移動するぞ。カラオケスタジオには予約入れてあるから。女の子たちとはそっちで待ち合わせだから。

全員揃ったし行くぞ。


「「「イー!!」」」


お前らな~!


「「「アハハハハ」」」

野郎どもは世界が変わろうとも変わらない、やっぱり馬鹿ばっかりなのであった。

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