第2話 顔合わせ


叔父さんと久々に再会して一ヶ月ほど経った。

本当に権力使ったのか知らないけどマジで合格してた。

同期は二人いるようだけど仲良くなれたらいいなー。

数日後に顔合わせするらしいけど。

まぁてなわけで初配信の日程とキャラデザ完成!

ぱちぱちぱちー。

初配信は一週間後、もう告知もしてあるし叔父さんから専用のトゥイッターのアカウントも貰ってる。


アカウント名 【春野 雅】

ここだけ見ると女性Vに見えるが残念、ゴリゴリの男である。なんなら身長190cmのシックスパックならぬエイトパックのお兄さんである。

まだ23だからね!お兄さんだよ☆


ちなみに同期は【夏風 蜜柑】と【秋原 万葉】って名前らしい。

四季で統一してあっておしゃれだと思う。

冬いないけど。


一応昨日のうちに機材は買っておいた。

会社がお金を出してくれるといっていたが金は結構あるし結構いいスペックの機器が欲しかったので自費で買った。


ちなみに今住んでるところじゃ機材置いたら狭かったのでついでに引っ越した。

夢の3LDKに夢のPCゲーム。

最高だぜ!

今日は疲れた(なにもしてない)から軽くゲームして寝よ…


◆──数日後


さて、顔合わせの日ですよ。

一応同期の前では社長と呼べって叔父さんが言ってたので叔父さんって言わないようにする。


顔合わせの三十分前に行くと、もう先に一人いた。

少し細めの体格だが身長は多分180くらいあって、すごく綺麗な黒髪をしている。

顔もモデルっぽいし、なんか最近っぽいお兄ちゃんだった。

あ、こっち見た。


「あ、えーと、V名 春野 雅。名前は桜 雅です。よろしく」


「あ、V名 秋原 万葉。名前は海原 凪です。よろしくお願いします」


「えーと、一応同期になるし敬語やめる?」


「あ、それじゃあ雅くん、よろしく」


「よろしく海原くん」


「雅くんはおいくつ?」


「俺は23だよ。海原くんは?」


「僕は21。雅くん年上なんだね。僕よりガッシリしてるし。筋トレかなにかしてるの?」


「あ、探索者を軽くやっててね」

全然軽くじゃないけど


「へー、雅くんすごいんだね…ちなみに趣味は?」


「趣味?趣味は…EPEXをしてるね。前は別機種でやってたんだけどPCでやり始めたから少しキーマウに慣れてる途中」


「え!EPEXしてるの?僕もEPEXしてるんだよね!」


「今度やろうよ!ちなみにランクは?」


「ダイヤ!雅くんは?」


「プレ…マスターだよ」


「マスターなんだ…すごいね!」

本当はプレデターだけど言うのはやめとこう。


「話変わるけど夏風さんってどんな人だろうね」


「あ、そうか、まだ顔合わせの時間まで15分もあるんだね」

そう、俺たちは早く来すぎたのである。

「仲良くできるといいねぇ」


「そうだねぇ」


「夏風さん来るまで連絡先だけ交換しとこうか」


「そうだね!僕友達いなかったから嬉しいな!」

こういう男子を多分犬系男子と言うのだろう。なんか後ろに尻尾見えるもん。


「そろそろ時間だね」


「そうだね、あと五分くらいかな?」


「あ、あれ夏風さんっぽくない?めっちゃ息切らしてるけど」


「うわぁ、モデルみたいな人だ」


「す、すみません!遅れました!」

160cmほどの身長に少し茶髪の美人だった。何て言うか、綺麗な人だった。


「いや、まだ五分前だよ」


「すみません、ハァ、待たせてしまって」


「三人集まったけどまだ時間だし少し話しとこうか」


「あ、はい!V名は夏風 蜜柑、本名は桐谷きりたに花梨かりん、20歳です!よろしくお願いします!」


「俺桜 雅。V名 春野 雅、23ね。よろしく」


「僕海原 凪!V名は秋原 万葉、21歳です!よろしく!」


「お二人とも年上なんですね!」


「桐谷さんは趣味は何?」


「最近はEPEXをしてます!」


「「…プッ」」


「え、どうされました!?なんで笑ってるんですか!?」


「いや、ごめんね、俺たち二人とも趣味EPEXだったからさ…w 」


「そうなんですよ!雅さんマスターらしいですよ!」


「へー!すごいですね!私まだダイヤなんですよね!」


「あ、僕と一緒だ!」


「海原さんもダイヤなんだ!」


「てか三人ともEPEXしてるならコラボ配信できるね」


「そうですね!」


「雅さんキャリーしてください!」


「うむ、よかろう」


「「ハハーッ!!」」

なにこれすっごい楽しい。


「社長がお呼びなのでお入りください」


「失礼します」

「失礼します!」

「失礼しますぅ」


「来たね、座りなさい」

(ここだけ見るとすごいかっこいい社長なんだけどなぁ…実態は酒飲みたさ過ぎて甥に土下座するイケオジなんだよなぁ)


「じゃあ、打ち合わせを始めようか。これからよろしくね、海原くん、桐谷さん、桜、君」


今ちょっと間があったな!いつもの感じで桜って呼ぼうとしたなぁ!


「コ、コホン。とりあえず最初に聞きたいことは初配信に何をするかだ。まずそれを決めよう。我らとしても手を尽くしてやりたいことをやらせるつもりだ」


「は、はい!僕初配信は歌いたいです!」


「お、いいね。配信場所はどうする?もういっそ三人ともスタジオでもいいんだが…」


「私はとりあえず雑談をしたいです!」


「いいね、視聴者の方と仲を深めるのもいい手だ」


「俺はスタジオで料理をしたいです」


「「雅(桜)さん!?」」


「あ、別にいいよ。V COOLは別に顔さえ出さなければ何も言わないからね」


「おっし」


「それじゃあ初配信の順番決めだね」


そう言いながら二時間ほど打ち合わせをした。所々叔父さんがボロ出すからバレないか大変だったわ…


「桐谷さん、海原くん、初配信頑張ろうね」


「雅さんも、桐谷さんも頑張ってね!」


「あ、そうだ。二人とも連絡先交換しましょ!あとグループチャット!」


「お、いいね。てか二人ともお腹すいてるならどっか食べに行かない?お兄さんが特別におごってさしあげよう!」


「「良いんですか!?」」


「うむ、どんだけ高いところでもいいよ。お兄さんお金だけは持ってるからね」


「じゃ、じゃあ焼き肉に行きたいです!」


「いいよ!なんなら高級焼き肉店でもいいよ!」


「「いやそれはちょっと…」」


「ありゃ?まぁいいや。タクシーのって店に行こう!」


そういって焼き肉を満喫してデザートまで食べたとさ。めでたしめでたし

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