一方演劇を見ていた攻略対象は*宰相令息*



俺、エルネスト・ミリアムはオルシアン王国の宰相令息だ

父は若くして宰相になり俺もいつしかそんな父を憧れるようになった

いつも本を読み漁り父に一歩でも近づきたいと思っていた

だが俺はもっと素晴らしいモノに出会ってしまった

そう、『演劇』だ

演劇とは台本通りに劇をする、とても簡単なことだ

が、俺が憧れたのは新人劇部の『月の灯』の一人ヒトリソフィアン・ディッセル(スフィアの偽名)

ソフィアンと言う役者は俺よりも年上で長い金髪を後ろに結い青い瞳を細め、優雅に笑う完璧な紳士の姿絵のようだ

俺はそれからソフィアン様にドハマリした

俺と同じくソフィアン様のファンもいて一緒にファンクラブも作ったりした

勿論ソフィアン様が出る劇は必ず見に行きその度帰り際の彼に握手してもらったことがあった

凄く暖かくて、温もりがあって、それでいて細くて、優しい手だった

彼は俺が来るとニコリと笑って他の役者との話を止め俺に構ってくれた

ファンクラブでは他の役者、ディクロス(ディランの偽名)とクロイ(クロードの偽名)のファンと喧嘩になったことがあったがアイツらはソフィアン様の魅力が分かってない

最近ファンクラブに入ったスフィア・シサ・ブルーレイ嬢とは気が合い友だちになった




――――俺は今最高に幸せだ

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