シスコン姉は絡まれる
入学式が終わった頃、私達が一年生の塔にディランにエスコートをしてもらいながら優雅に進んでいると......
「そこの貴方、お待ちなさい」
後ろから声がかけられたので二人して振り返るとそこにはすっごくブサイクで制服からピチピチと肉がこぼれ落ちてる恐ろしい令嬢とも言えない豚に声をかけられた
「なんでしょう?」
「貴方如きがなぜディラン殿下といらっしゃるのです?ディラン殿下にふさわしいのはこのわたくしの筈なのに」
彼女は私に詰め寄り憎しげに言った
ディランは私の腰に手を回し近づけ警戒した
ああ、分かったわ
これはいわゆるディランが好きなのね!
だから私に嫉妬していると
ほおほお、熟苛つきますね
まあ相手は豚でも穏便にいかなければ
私は笑顔を作った
「まあ、そうですの?私はディラン殿下の婚約者、ソフィア・ディスカ・ブルーレイでございます。それより貴方は誰です?」
「あらあら、わたくしのことを知らないだなんて...‥でもいいこと?下民の貴方には特別に教えてあげるわ。わたくしの名はアミエア・レ・バッシュルハル、バッシュルハル王国の王女よ!!」
王女はドヤ顔で言い放った
豚がドヤ顔しても何も変わらないのである
チラッとディランを見ると冷ややかな目で王女を見つめている
まあちょっとこの王女にはムカつくし少しばかり仕返しをするか
私はディランの腕を引っ張って私の方に寄せる
そして極上の笑みで言ってやった
「ディランは貴方のじゃないの、私のよ」と......
勿論言った私も恥ずかったよ
でもね隣で私の言葉を聞いて本日二回目の照れているディランを見てディランって照れやすいんだなぁと思ったけど
王女は悔しさのあまりディランの照れなど気にしないで手に持っていた扇を握りつぶしている
うん、幻聴だけど扇から『ギヤァァァァァ』っていう声が聞こえたような
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