シスコン姉は魔法学園へ入学する





―――そう、あれから2年後



私はスフィアと別れ今、魔法学園へ行くことが決定した



「姉様、元気でいてください...‥‥ふぇぇぇ」



スフィアはもうここ10分ずっと泣いている

もちろん私も泣いている

だってこれから2年間会えないんだよ?

悲しすぎるよ......



「ソフィア、そろそろ行こう」



にこやかな笑顔で私を馬車に入れるディラン

ディランなんかよりスフィアと行きたいよぉ



「姉さまぁぁ」



スフィアは泣きじゃくり私は馬車の窓から手をふる

魔法学園には乙女ゲームの攻略対象厄災が沢山居るのだ

あれからどの攻略対象とも会ってないけど行きたくないなぁ

だってスフィアと会えないんだよ!?

私のオアシスがなくなるんだよ!?



「ソフィア、大丈夫だよ私が居るから」



「殿下はむしろ居ない方が良いです」



「えぇ?つれないなぁまあ学園ではちゃんと名前で読んでくれるよねぇ」



「絶対嫌」



ディランと攻防戦を繰り広げながらいつの間にか魔法学園へ到着した

ディランは私をエスコートしながら門を潜る

門には『身分を捨てろ』と書かれている

ふぅん平民との差別をなくすための字だね

もうやだぁ

この時点でUターンして帰りたい

私の天使スフィアは居ないし!

だれよもう!

私をここに入れようとした奴は



「ソフィア、魔法学園へ入学した感想は?」



「帰りたい」



「それはダメだなぁ」



ディランは私を誂いながら面白そうに笑う

そんなに面白いか?

私はディランを狙っている女子からの視線が痛いんだけど?

私も好きでコイツの婚約者になったわけじゃないのよ!

強制婚約だもんね、強制!

最悪〜

しかもディランには言い訳が通用しないんだよね

言い訳しようとしたら一瞬でバレる

ディランと私は入学式が始まる会場へ向かう



「そうだ、ソフィア」



「なあに?」



「ソフィア前より身長が0.0006m伸びたな」



「え!?なんで分かるの?」



「やだなぁ私と君はもう2年の付き合いじゃないか」



私は改めてディランの恐ろしさに気づいた

ディランを甘く見てはいけない

私はこの日誓った


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