初恋*ディラン*




*ディラン視点*



私の名はディラン・アスフォルト・デグラス

デグラス帝国の第一皇子だ

私の父はよく『ハーレム』と言う作ってもマイナス要素しかないモノを作っていた

私は夜遊びをする父を遠目に見て一瞥していた

こんな姿が皇族なのか?

では私は父と同類なのだろうか?

私は社交界に出ると脳内花畑令嬢が群がってくる

恐ろしい不快感に襲われながら私は適当に笑ってあしらう

だがいつからだろうか?

本心から笑えなくなった

無論作り笑いはできるものの何も感じなくなってしまったのだ

もう全てがどうでも良い

別に感情を感じなくても生きていけるのだから

だが昔の私には考えられなかっただろう

私をどん底から救ってくれた人がいたんだから

その名はソフィア・ディスカ・ブルーレイ

ブルーレイ公爵家の長女だ

出会ったのは私が主催したお茶会にて



「姉様!見てくださいこの壺絶対高価だと思いますよ!!」



「そうね、何Gくらいかしら?」



普通は私を優先させよってくる筈なのに彼女たちは私に見向きもしなかった



「想定で92667G程ですね」



「スフィア、凄いわね〜」



彼女は妹を見て顔を綻ばせる

なぜだか自分の鼓動が早く動いている

なんでだろう?

彼女は何もしてないはずなのに



「ねえ君たち楽しそうだね」



気づいたら私は話しかけていた

だが彼女たちの反応は他の令嬢と違った反応をした

妹は今にも殴り殺そうな殺意を出し姉は私を厄災のように見てくる

こんな扱いをされたのは初めてだ



「スフィア」



「はい姉様、分かってますよ」



彼女たちは一瞬で攻撃体制に入る

なんで攻撃体制に入るのかな?

やっぱり面白いなぁ

多分この姉妹の特に妹を見れば分かるのだが彼女の性格は姉の影響だろう



「君たち何をする気かな?」



「なにって排除するだけです、ねースフィア」



「そうですね姉様、こんなクズ男はこの世に存在してはいけません」



「バキリ」



「あっ」



「壺が...」



彼女たちが魔力を放出したせいで壺が割れた

ふ〜ん君は私より壺の方が大事なんだね

なんで自分ががっかりしているか分からないけどそんな自分は嫌いじゃなかった



再修復ヴァエラ



「姉様これで92667G損せず済みましたね」



ソフィアがため息を吐いて安堵する

そこまで壺が大事なんだぁ

よし決めた

この子を婚約者にしよう



「君たち、面白いね......たしかソフィア嬢とスフィア嬢だったかな?丁度私も婚約者を選んでいたところだから君たちの中から選んでも良いかも...‥特にソフィア嬢、君ね」




「姉様の婚約者になったら殺す...!」



「大丈夫よ、スフィア...スフィアの手を汚す前に私がればいいだけだから」



「一生一緒にいようね...?姉様」



「もちろんスフィア!!」



妹を甘やかす彼女を見て少し嫉妬したのは気のせいだろうか?

でも大丈夫

彼女が否定してでも私は離さないよ、ソフィア・ディスカ・ブルーレイ

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