第20.5話 智美影佑のStory2
「すいませーん! 騎士団のビオラと言うものです」
「ミカゲさんから聞いています。ここの店主で椿と言います。今ミカゲさんはいなくて、感想は伝えておきますので」
「くっそあちぃ~! なんで夏休みに補習なんてあるんだよ」
「お前が悪いんだろ」
「てめぇに言われたくないよ」
「別に俺文句言ってねぇよ」
「おいお前ら、盛り上がってるところ悪いけど下の部屋会議中だから」
「「すいません」」
このクラスで補修は二人だけ。夏の朝から男二人、暑苦しい限りだ。
「ふー、終わったー!」
「やっと帰れるな」
補修終わりに食堂による二人。機嫌がいいのかおごると言い出した
「食堂開いててよかったな。誰もいねーけど」
「あぁ、飲み物なくて困ってたし」
「そろそろ行くか」
食堂から出る直前、入れ違いで女子生徒が入ってき、影佑の視線がその生徒に向かった。
「…知り合いか?」
「ん、まぁそんな感じ」
「友達…じゃあなさそうだな」
「失礼だな。確かに友達じゃないけど、…友達だった人かな」
「だった人?」
「あぁ。俺小学校のころいじめられてさ、中学は家から遠いとこに通うことにして、その学校で会った人」
「友達だったてのは」
「あんま馴染めなかった俺を気遣ってくれたりしたんだけど…」
影佑は一度話を途切れさせた。
「…またいじめられて、学年積むことにエスカレートしていったんだよ。だからあの子にも被害及ぶかなって思ったから関わらないようにしたらああなったんだよ」
「可哀そうだな…」
「まぁあっちもいじめの対象にはなりたくないだろうし俺の面倒見るの嫌だったろうし」
そっちじゃねえよ。お前のほうだよ。どんだけ辛くても他人のことを気にするなんてできないだろうな、普通なら。お前が何でそんなに皮肉でネガティブなのかが分かった気がするよ。
昔お前と会えてたら俺がお前の人生変えれたのかなとか思ってたけど、たぶんそれでもお前は誰かを守るために自分を犠牲にしてたんだろうな。その誰かが俺なら…俺がお前をこんな風にしてたのかもな。
「なぁ、ラーメン食おうぜ」
「俺うどんの気分」
「あそこのラーメン屋うどんないよな」
「ラーメン屋にはうどんないだろ」
「……そば食いに行くか」
「どっちでもないのかよ」
※ ※ ※ ※
「…ん? どうした清水。ここお前の教室じゃないだろ」
「ここ補修教室ですよ」
「お前は委員会だろ。用がないなら早く帰れよ」
夏休みの校舎。教師たちはいるとはいえとても静かだ。
「ミカゲ…」
※ ※ ※ ※
「…そう言えば、ミカゲってあいつに呼ばれてた名前だっけ? 影佑は長いからって。たった一文字だけど」
MMORPGに来てまでぼっち生活!?俺は根っからのソロプレイヤーだった。 山田羊 @yamadahituji
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