15話 暗殺者達
上位職に昇格したばかりのとき、グロッソの路地にて。
※ ※ ※ ※
サイトにあった
足元も見えない暗く狭い道、進んでいると後ろから肩を誰かに触れられた。
振り向くと黒いフードを被った人がいた。
「すまない、驚かせてしまったかな?」
声から察するに男だろうか…大人しく、どこか掴みどころのない様な話し方をしている。
「えっと…俺に何か用でも…?」
「あぁ! そうだ。君、見た所かなり腕が良いんじゃないかな?」
なんのこと…?
「は…はぁ」
「とぼけるのはやめてくれよ、分かってるんだよ君が同業者だってこと」
その言葉でミカゲは感づいた。
同業者…。クエストってこれのことか。
「ねぇ、君の所属する組織はどこかな? いまグロッソにはかなりの暗殺組織が潜んでるって聞くけど…」
…それって言っていいやつなのか?
「ちなみに僕が所属するのは日蝕、この世界で一二を争う暗殺組織だ。もし君が敵対組織なら容赦なく殺すよ」
……それも言っていいやつなの? こいつ、まさかバカ!? てか何を理由にして話しかけてきたんだ? まぁ…とりあえず乗っとくか。
「……俺に仲間は居ない」
「へー、普段どんな仕事受けてるの?」
「………」
「ん? どうしたの?」
「わけもわからない相手に教えることはない」
「確かに!? それもそっか!」
こいつほんとにバカだ。
「それで? 何で俺に話しかけてきた?」
「あー、そうだったね。実は、最近ここで暗殺の依頼を受けてくれる暗殺者がいるって聞いてね、知ってると思うけど今日蝕はとても大きな計画を動かしてる、それに必要な人手が足りなくてね、そこで君なら裏世界の事情を理解しているだろうしグロッソで活動しているなら日蝕に恩があることも知っているだろう、だから協力してほしい…僕ら日蝕の計画に!」
……何1つ知らないんだけど!? まぁゲームの中だから仕方ないけどさ、ホントなんにもわからない…。
「…まぁ良いだろう」
「ホント! やったー!」
「静かにしろ。勿論報酬は弾めよ」
「分かってるよ」
「あとこれは…」
「口外禁止…だよね」
…嘘だろ、偶然だよな…。
※ ※ ※ ※
「やぁ! ちゃんと来てくれたんだ…」
「来てくれてありがとう。早速で悪いが我々の計画を説明しよう」
男の声を遮って真ん中にいる女性が話し始めた。
「それより1つ良いか?」
「何だ? 手短に頼むぞ」
「ごめん、ちょっと飯食って来ていい?」
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