14話 暗殺者

 無事リト王国についた二人、二人が個々に来た理由はそれぞれ違う為ここで分かれることになる。

 京はリトで商品を集めるため、ミカゲはあるクエストをクリアするため。


「確かここで合ってると思うけど…」


 リトの大図書館。遥か昔、勇者と共に旅をした賢者リトが自身の持っている知識を全て収めたと言われている場所、辺りには大量の本や資料が並んでいる。リト砂漠や王国の名前もこの賢者が由来になっている。

 少しの間待っていると、後ろから嫌な気配が近づいているのを感じた。

 ミカゲがとっさに振り向こうとしたら近づいているなにかから声が聞こえた。


「振り返ってはいけない……」


 その低い声はミカゲに緊張感を与えた。


「例の場所に案内してやる…歩け…」


 ミカゲは言われるがまま歩いた。そうすると、図書館の受付にたどり着いた。


「えっと…ここで合ってる?」

「良いから早くしろ」


 少し怒った声で言った。

 受付嬢が受付近くの扉から顔を出しミカゲに手招きをした。

 中にはいろんな資料が重ね重ねに置かれており、人は誰一人としていなかった。


「あの…、人…いないんですか?」


 そう恐る恐る聞いた。

 すると受付嬢が口を開いた。


「ここは世界に関する様々な書物が置かれている場所です、世には出せない物もあります、そんな重要な物をそこら辺の従業員ごときに見せるわけにはいかないのです」


 きつい口調で言葉を返す受付嬢。


「はぁ…、でもそれならここに置いているより城とか偉い人しか入れない所に置いたほうが…」

「その疑問は今から説明しますのでつべこべ言わずに仕事をしてくださいね」


 たどり着いた場所には扉が1つ、受付嬢は扉を開けミカゲと後ろの奴は中に入った。

 そこには7人、統一された黒服を着た人がいた。服の後ろにはリト王国のマークでもある太陽が欠けている文様があった。


「あの…、依頼人ってあなた達のことですか」

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