10話 始まりの戦い
「思ったより綺麗な場所だな」
そこはとても綺麗なわけではないが不思議と美しく感じる場所だった。
ミカゲは一本しか無い道を進んで行く。
奥に進む度どんどん視界が暗くなっている。
横から急に出てくるとかやめてくれよ。
そう願っていてもフラグ回収のように横からやって来るなんてことはなかった。
ダンジョンなのに何も出てこない逆に不気味だ、そんなことを思い先へと進む。
「何だこれ?」
進んだ先には大きな扉、それ以外何もなかった。
ミカゲは恐る恐る手をかざし扉を押した。
ゆっくりと開いていき扉の向こうに足を踏み入れた。そして扉が勝手に閉まった。
短剣の柄を握り構え、暗い中そろりと奥へ近づいていった。そこでミカゲはとある物を目にした。
美しい少女だ。長い白髪に赤い瞳、ミカゲは目を奪われた…、その美しい容姿にではなくミカゲそっくりの少女の顔に。
「…は?」
ミカゲは呆気にとられつい心の声が出てきてしまった。
顔はミカゲだが体つきは全く似ていない。背はミカゲよりも低く胸はかなりある、彼女は喋らないが目で何かを訴えている様だった。
すると、彼女の後ろに赤い光が2つ光り、風が鳴る音とともに少女の首が宙を舞った。切断された先端部分は赤い粒子が固まっており、時間が立つに連れ崩れていき赤い粒子群となって消えていった。
その奥から2つの光の持ち主が現れた。そいつの名はデスサイズ、黒くボロいフードをまとい、見た目は完全にいわゆる死神である。Lvは18、ミカゲが今敵う相手ではない。
自分と全く同じ顔の少女が現れ、Lvが高いモンスターと接敵ししかも逃げれない状況、最悪すぎて言葉が出ない。
「どうしろっていうんだよ…」
ここで反抗してもやられるだけ、そう考えたミカゲはある行動に出た。
握っていた短剣を鞘に収め両手を上げた。死神に必死に目で訴える。
こんな一大事にほんとにバカだ。
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