5話 それぞれの生き方

 日曜日の夕方、5時頃。

 grandworldonline《グランワールドオンライン》の中。グロッソ王国のとある酒場。

 銀髪の男と青髪の男がカウンターの席で話し合っている。その内容は勿論あのことについて。


「フフハハハハっ、そんなんじゃ釣れるわけ無いだろw バカかお前!」

「いやでも囮とかに使えるかと…」

「使えても錬金術師じゃ無理だなw」


 影佑えいすけもといミカゲと京花きょうかだ。

 あの後ミカゲにはなんの誘いもなく唯一来たのは、『この職業ジョブじゃ誰にも誘われないよ』の一文だった。


「でも何で錬金術師は駄目なんだよ?」


 ミカゲは不貞腐れた言い方で聞いた。


「錬金術師が駄目ってわけじゃなくて、盗賊シーフと錬金術師の組み合わせが駄目なんだよ」


 まだ少し笑った様な喋り方で話す京花。


「盗賊は基本的に一人行動が強い、群れると邪魔なだけ」

「ブルージェムみたいな?」

「んー…、ちょっと違うけどまぁそんな感じ。それに加え、錬金術師は薬を作ることが出来る。つまりヒーラーが要らないってこと、攻撃を避けやすいからタンクも不要、そうなってくると残すは援護役だけど…、盗賊の上位職の暗殺者アサシンになると、投擲が使えるようになる。麻痺薬とか毒薬塗ってナイフ投げつけたり、剣で直接やっても良い…」

「……」


 ミカゲは黙り込んだ。


「なっ? 一人の方が良いだろ?」

「今やっと自分の頭のおかしさに気づいたよ…。完全に浮かれてた」


 ミカゲのテンションはさっきと比べて断然落ちてしまった。

 それを励ますように京花は言った。


「まっ、何事も努力努力。この機会にそれぞれのジョブのことを教えてやるよ」

「お願いします、京花先生」

「まず職業とは何か、それは…この世界の生き方だ!」

「はぁ、生き方…?」

「職業によっては出来ることと出来ないことがある。自分の特性を駆使してどうこの世界を冒険するか…、それが職業だ」

「なんか抽象的だな」

「じゃぁ次はそれぞれの職業についてだ。まずは戦闘職。1つ目は戦士、これは脳筋だ。上位職は狂戦士バーサーカー、これも脳筋だ」

「内容が全く無い…」

「2つ目は剣士、戦士に比べてSTRは低いが素早さはある。スキルも戦士より多い。上位職は剣聖と剣豪、剣聖は剣士がそのまんま強くなったって感じ。剣豪はカウンターでより多くのダメージを与えるから防御力が高いな。ちなみに俺の職業も剣豪」

「戦士より力はないけど戦い方は豊富ってことね」

「3つ目は騎士、騎士は防御に長けた職業で、よくタンクとかをやってる。上位職は聖騎士パラディンと暗黒騎士、聖騎士は防御が超高い。しかも攻撃力も高い。暗黒騎士は聖騎士と逆になったみたいな感じ。魔剣とか使えるから物理だけじゃなく魔法適正も高い。どっちもSTR、VITともに高いけど素早さは皆無。スキルも少ない」

「防御に長けた戦士か…」

「4つ目は拳闘士、素早さと攻撃力を両立した職業だ。速くてダメージが出て、かなり強い職業の一つだな。上位職は拳聖と舞闘士、拳聖もまんま強くなったやつだな。舞闘士は自分自身にバフを掛けたりする、これもスキルは少ない」

「けど色々と使いやすい職業ってことか」

「5つ目は盗賊…、これはいっか」

 一様説明ほしかったんだけど…。

「6つ目は弓使い《アーチャー》、こいつはよく雑魚って言われてる」

「雑魚!? なんで?」

「威力低いし近づいたら瞬殺出来るから。でも上位職の狩人アサシンは、巷では最強って言われてる。弓じゃなくて投擲スキルでナイフとか投げてる人多いけど、力強くて斧とか使えるし。速いし」

「なんか可哀想」

「7つ目は魔術師、言わずもがな…ファンタジーのお決まりだな。上位職が唯一3つあって最初の職業選択で、困ったらとりあえずこれ選んどけって言われてる。上位職は白魔術師、黒魔術師、赤魔術士。白は回復とかバフ掛けたり、攻撃魔法はアンデットに効くセイクリッドなんちゃらぐらいだな。1パーティーに一人は欲しい役だ。黒魔術師は魔法攻撃力が高い、確か呪いとかもあったな。赤魔術士は最強職業だ」

「お前が最強だと思ってるってこと?」

「いや使ってる奴らが言ってる。まぁ実際のところそうだし誰も反論できないんだよ。これは白魔術も黒魔術も、2つの一部のスキルが使える。魔剣の適性もあるから近距離もいける、最強と言わざるを得ないな」

「聞いた感じチートだろ」

「戦闘職最後の8つ目は召喚術師サモナーだ。モンスターが召喚できる。上位職は魔獣召喚術師ビーストサモナー、魔獣って呼ばれるやつを召喚できる」

「それって強くね? 数が増えるんだから」

「確かに強いけど使うのは難しいな。召喚するときにMPを消費する、そうなると必然的にINTを上げなくちゃいけない、自分も戦うとなるとSTRとの両立が難しい。しかもMPは召喚した魔獣が消えない限り回復しない、MP回復させて出しまくる事も出来ない。強くはあるけど使いづらいな」

「へー。生産職は?」

「いや、もう飯の時間だから俺は一旦抜ける。また8時ぐらいにな」

「了解」


 2人は話し終えゲームを抜けた。



 

 読みづらくなってしまいすいません。

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