4話 始まりの王国とソロプレイヤー

 デビュー戦終了後、モンスターを狩りまくりLvが6まで上がった影佑。街に戻ってあることをしていた。


「これでよし! お願いします。誰か優しい人、俺を拾ってください」


 それはパーティー募集の掲示板である。影佑がしていたのは、自分のプロフィールを載せて必要な人にスカウトしてもらうというものだ。

 モンスター狩りを終えた後一度ゲームを抜け、夕飯を食べてからもう一度プレイを始めた影佑。現在の時刻は午後の6時、そろそろプレイヤーが増えてくるところだ。自分をスカウトしてくれるしてくれる人が出るまでこの街を見たりこのゲームについて調べようと歩き出した。

 この街はプレイヤー達が一番初めに転送される場所、大都市グロッソ王国。

 設定ではかなり昔からある国で、田舎者なら誰もが憧れる場所らしい。そんな所になんの努力もなしに行けるプレイヤーは、ゲームの住人からしたら嫉妬するレベルだろう。

 グロッソ王国は軍事力の宝庫と呼ばれており、ありとあらゆる騎士の名家が集まっているらしい。現に、城へと続く城下町の門に綺羅びやかとした装飾が施された鎧や服を着た騎士団員が立っており、稀に騎士団長と呼ばれる藍色の髪の女性が大勢の騎士を連れて街を廻っていることもある。

 他にも店やギルドなどを見て回った。時間もたち、影佑は掲示板を開き確認した。


「…誰からもない、なんで!? 1時間近くは経ってるはずだけど、まだ足りないのか?」


 とんでもないバカだ。

 この男はまだ自分の何がいけなかったのか理解していない。

 その後、ゲームを辞めて次の日まで待つことにしたらしい。もう何をやっても変わらないのに…。


  ※ ※ ※ ※


「どうよ、今日の掲示板の様子」

「んー、良いやつ居ないなー」


 男のプレイヤー2人が店で話している。


「全体的に数が少ないなー」

「なぁ、こいつ見てみろよ」

「どいつ?」

「こいつだよ、このってプレイヤー」

「メイン盗賊でこのLvでスカウトしてもらえると思ってんのか? これだから初心者ルーキーは」

「お前もついこないだまではバリバリのザコだったろw」

「いや、そうだけどw でもこいつはホントにおかしいだろ」

「確かに。メインが盗賊でサブがとか、自分パーティー組まないよって言ってるもんだろ」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る