第171話 ガレオン船?と五個艦隊計画

艦船の大型化の目処が技術的についた。


全体的に艦船の大型化を実行して、一個艦隊八隻編成の五個艦隊計画を実行しようと考えた。隻数と艦種は随時変更するだろうが、ひとまずこれでいこう。建造は五カ年計画だ。


いまのところ小佐々は大きな負けはない。しかし絶対はないし慢心は敵なのだ


陸上戦力はもとより増強するが、艦船の建造は時間がかかる。艦の大型化については、以前は南蛮船をそのまま真似していた。もともとは波に耐えるために、全体がずんぐりしていた。船首楼と船尾楼が盛り上がった艦型だ。


もう一つは小型だが三角帆のみ。こちらは機動性がいい。両方の良い点を取り入れて、四角帆と三角帆を組み合わせた艦型を作りだした。その後も順次改良。


そこから全長を長くし、船首楼よりも船尾楼が高くなる様にして、風上に切り上がりやすくした。幅と全長の比が1:4~と長くする事で荷が多く積める。そしてスマートで吃水が浅いためより速度が出るのだ。


忠右衛門というか工部省の造船技術者の努力の賜物だね。


費用は一隻につき、大砲や材木その他全部いれて、十三万三千貫。全長約三十間半(55.35m)、全幅約六間一尺(11.25m)、吃水約二間五寸(3.8m)。


ガレオン船は搭載する大砲の数を少なくすれば積荷を増やせる。なので将来的には、商船の護衛に二~三隻の艦隊を組む事もあるかもしれない。


艦隊は口之津に二個艦隊、長崎に一個艦隊、唐津に二個艦隊、とする。乗組員は二百名から二百五十名程度にしよう。


将来的には外洋艦隊と沿岸部隊みたいになるのだろうか。容量と乗組員の数にもよるのだろうが、無寄港でマラッカやバンテン王国までは行ける様にしたい。政宗がつくったサン・ファン・バウティスタ号と同じくらいの大きさだ。


セバスチャン・ビスカイノはいないけど、樗木(おうてき)三郎右衛門の弟子たちがいる。最初は月に千貫だった技術開発予算が、今では五千貫文。七年間、特に造船と大砲に関しては相当入れ込んできた。これからもっと金がかかるだろう。


それにしても大量の木材がいる。筑後川流域で搬入して長崎に運ぶ。足りない分は、材木と言えば土佐か?紀伊か?ちゃんと植林しよう。森林資源は大事にしないとね。造船技術もヨーロッパに送った使節が戻ってくれば大きく前進するだろう。


造船技師に製鉄技師。大砲の鋳造技術はキモだ。


今は鋳造できる技術が低いから、金はかかるが鍛鉄でやっている。しかしもの凄く手間暇がかかる。青銅のカルバリン砲が鋳造できる様になれば、セーカー砲も作って搭載できる。フランキ砲は旧式になって必要なくなるし、飛距離も伸びる。


最大射程は確か6キロから6.5キロだった。命中率や飛距離、装填速度やメンテナンスのやりやすさなど、比べるものはたくさんある。いいところを取り入れつつ技術革新ができればいい。


無敵艦隊、できるか?・・・・。


金額を計算してみた。


いや、無理無理無理!破産する!

13万3,000貫文×40隻=532万貫文!!

5年で割っても月に88,700貫文


どう見ても赤字だ!本年度はまだいいが、来年度から借金増えまくりだ。よく考えたら城より高額!


旗艦級を五隻、準旗艦級を二隻、汎用艦を五隻で計画を練り直す。よく考えたら旗艦級の500トンと同じ物を40隻揃える意味がない。なので400トンを2隻、250トンを5隻に下方修正しよう。


よし、これでなんとかなった。

・・・。もっと儲けないといけないな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る