殻
標識を後ろから抱きしめて
「やさしくしてください」と言ってみる
思い出があまり凶暴にならないように
目を瞑った時に現れる長い廊下を
定期的に巡回している
檻に入れておくよりかは
放牧した方がいいと聞いて
私のたくさんの部分を
思い出たちが踏み躙る
小さいころに植え付けられた正しさが
ずっとそのまま育てばいいね
言葉の
殻の部分でお昼寝をする
悪巧みが風船のように膨らんで
息はきゅうくつ
せっかく抜け出したのに
正しいことは道にならない
生乾きのまま
行ったり来たりを繰り返す
もう何年も
アスファルトは冷たいまま
どこにも行きたくないという言葉が悪用されて
道路で渋滞が起きる
タイヤがなかなか動かず
硬い種子は潰されて
狭い道路の隙間から
標識が生えてくる
生まれてこのかた
誰ひとり騙したことのないような顔で
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます