粉々

君は粉々なのに

知らないふりをしていてかわいそう

過去を改竄するために

季節は懲りもせず

何度も巡っています

何かを愛するたびに

瓦解していくかさぶたが肺に溜まって

君の吐く息は

まるでチョークで書いたみたいだった

最近は次々に消費することが

どうしようもなく気持ちよくて

だから君が執拗に

ひとつの記憶に抱き返されたいと願うのは

かわいそう

と形容するのが適切だと思った

それを伝えると

君は僕の発した

「かわいそう」で

ひび割れた身体を接着して

また知らないふりをし始める

僕は怖いよ

君の粉々を

もう飲み込みたくない

薬みたいに

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