第31話 7月



 翌日、奈菜架は久しぶりに別荘の布団をクリーニングに出したいということで、麻衣は電車とバスでL町に行くことにした。麻衣は、夏の太陽の下を歩くことになると考え、フレアスリーブの白のワンピースを着て涼やかにし、J高原駅へと歩いて行った。


 J高原駅からH田までは電車で移動した。J急行電車は普通の電車と違い、観光電車だった。座席は東のうみの方向を向き、ジュースやビールを販売する売り子さんがカートを押しながら電車内を歩いた。また、車掌さんは女性だった。L町の海も綺麗だったが、東のうみは西のうみとは違う、陽の光を多く反射し、澄んだ明るさが綺麗だった。


 H田市からL町まではバスで1時間だった。バスの時間の待ち時間も1時間近くあったため、麻衣は昼食を取ることにした。麻衣は駅近くの和食店に入った。麻衣はお刺身の定食を頼んだ。鯵、鮪、金目鯛、イカ、平目、石鯛、漬物、とろろ胡瓜、味噌汁。味噌汁には掌ほどの大きさの蟹が二つに切られて入っていた。


 昼食の後、麻衣はH田市発のバスでL町に向かった。バスは山に向かい、山と山に囲まれた田畑の道を進んで行った。


 





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る