第3話 9月



 初めての一人暮らし。服と下着、鍋とフライパン、布団とパソコンは明日到着する。

 買うものはと考えると、悠理は洗濯機と冷蔵庫と電子レンジを考えた。

 そうすると、西Y町のベスト電器に行かないとと考えたが、それよりも先にL荘の1週間分の宿泊予約を取り消さなければいけなかった。   

 

 悠理が、L荘に戻って事情を伝え、残り日数のキャンセルを伝えると、

 「この町でマンションを借りられたんですか?」と言われ、

 「はい、そうなんです」

 「はー、わかりました、じゃ、いいですよ明日以降のキャンセルもキャンセル代なしにしますよ」

 「いえ、電気と水道とガスの人が明日来るので、明日はまだ泊まりたいです」

 「わかりました、それで承ります、どうぞごゆっくり」


 悠理は、Z海バスの切符売り場に向かった。

 バス停に着き、時刻表を見ると次のバスはほぼ1時間後だった。

 道路の向こうにはコンビニが見えた。悠理は夕食はどうしようかと考えた。

 西Y町には大きなローカルのスーパーがあったが、やはり今日はコンビニで買うことになるだろうと考えた。そうすると、昼食、夕食の度にコンビニに行くことになり、銀行はその先にある。ずいぶんと自分の行動範囲がこのZ海バスの切符売り場の周辺で限定されたのだと考えた。

 



 4日目。この日悠理は大変だった。

 東京電力にH田ガスの作業員がやってきて、水道は西Y町役場が管轄した。

 昨日購入した洗濯機と電気ポット、冷蔵庫、テーブル、40インチのテレビ、外付けDVD、クロムキャストも到着した。テレビは電話会社のインターネット契約で38000円引きだった。

 母親からは服と下着、鍋とフライパン、布団とパソコン、それと包丁と食器類も送られてきた。

 それを全部整理して、電源を入れて、片付けてみるとあることがわかった。

 部屋は狭いということが。 

 悠理は一人暮らしが初めてだったためにわからなかったのだが、クローゼットは普通の広さと思っていたものも、コートや上着を収納し、かつ下着など衣類全般を収納するとクローゼットはすぐにいっぱいとなり、布団を入れる場所がないことがわかった。それにテレビにはテレビ台が必要だった。


 悠理は、部屋の整理を終えた後、L荘に戻り、最後のL荘の夜を温泉に入りゆったりと過ごした。

 温泉の中から夜の海を眺めた。


 次の日、悠理はL荘をチェックアウトした。

 年配のホテルマンから丁寧に挨拶され、L荘を後にした。

 



 悠理はマンションに移った。初めての一人暮らし。さて、なにをしよう?

 悠理は、町の観光地図を見た。悠理は、マックスバリュ以外のスーパーを見つけた。

 ピザ屋が1軒、イタリアンが1軒、とんかつ屋が1軒、フレンチが1軒、お好み焼き屋が1軒、ステーキハウスが1軒、中華料理が1軒。なるほどと考えた。







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