戦闘を終えて-1
戦闘を終えた僕は早速ホーム画面を開く。
レジサイド・オブ・サーガの仕様では、モンスターを倒したりすると経験値入手でき、それが規定値に達するとレベルが上昇する。
そして、レベルが上昇すると
このスキルポイントを割り振ることで、各種
画面を操作し、SPの欄を確認する。
そこに表示されていた数字は【40】。
今の戦闘でウルフを倒したことで、僕のレベルは【1】から【4】に上昇している。
【1レベル】の上昇に伴ってSPは【10増加】するため【30SP】の増加。
そこに、スタート時に所持している【10】とを足し、僕の現在のSPは【40】となる。
よかった。
流石に、ゲームの根幹を成すSPの加算条件が変更されているとは考えにくかった。
けれど、一部の仕様が変更されているので、断言はできなかった。
現時点で分かっている消えた仕様を整理する。
アイテム欄からの【クイック装備】。
フレンドにメッセージを送ることができる【チャット機能】。
ゲームを終了する【ログアウト】。
その他、細々とした機能がグレーアウトした状態だ。
対する【SP】のシステムや【ステータス】に関するシステムは現存している。
この世界を一言で表すならば『レジサイド・オブ・サーガを限りなく現実に近づけた世界』と言えるだろう。
例えば、装備アイテムを装備するためには《着る》または《持つ》といった
ゲームならば、アイテム欄をクリックしたり、装備欄から装備を選択するだけでよかった。
一体、誰がこんな世界を作ったのだろう?
そもそも、この世界を
とにかく、レベルが上がってSPも入手したことだ。
ポイントを割り振って、スキルを取得しよう。
そうやってスキル欄に目を走らせたところで、あることに気が付く。
「Nameが空欄?」
キャラクター名は開始時に決定する。
だから、今回の場合はゲームの方を引き継いでいると思っていた。
折角の機会なので、心機一転、前とは違う名前を付けることにしよう。
この世界の現地住民は、恐らくNPCではない。
ここは、当たり障りのないものにするのが妥当だ。
それに、もし僕と同じ境遇の人物――この世界に転生、ないしは転移してきた人物に出会ってしまった場合を考える。
その時に起こるりうるであろうトラブルを回避する意味合いもある。
Name:Arata
Lv.4
SP:40
HP:100
MP:100
ST:100
STR:10
VIT:10
AGI:10
MA:10
MD:10
新しい命。
何の捻りもなく『
それにしても、清々しいほど低いステータスだ。
確か、ウルフのステータスは1項目あたり3~15。
STRは10~15だったと記憶しているので、ちょっと危なかったかもしれない。
終わったことだし、結果よければ、というやつだ。
早速、スキルポイントを割り振っていこう。
ゲーム内でのスキルは大きく三種類。
関連する能力値にボーナスが加算され、専用の技が使用できるようになる『戦闘系』。
武具やアイテムの
特殊な武具を装備することを可能としたり、実績を解放することなどによって入手することのできる『特殊系』。
SPを使用すれば、ステータスそのものを上げることもできる。
しかし、変更したステータスを振り直す為には専用のアイテムが必要になる。
よって、初心者でないならば、序盤はスキルの取得を優先した方が効率的だ。
それに、スキルにはステータス値を上昇させる効果をもつものも存在する。
これによって、ステータスと戦闘面の両方を強化することができ、結果として効率よくレベルアップすることが可能になる。
とは言ったものの、取得可能なスキルは数えるほどしかない。
スキルを取得するための主な方法は、レベルアップによって入手したスキルポイントを割り振る事によってスキルボードから取得する。
しかし、そのスキルポイントを割り振るためには一定の行動が要求される。
例えば【剣術】。
刀剣に分類される武器アイテムを装備することによって、スキルの項目がアンロックされる。
幸いな事に、ウルフとの戦闘で取得しようと思っていたスキルは、スキルボードに追加されていた。
早速スキルポイントを割り振り、有効化する。
Name:Arata
Lv.4
SP:37
HP:100
MP:100
ST:100
STR:10
VIT:10
AGI:10
MA:10
MD:10
スキル『剣術 Lv.1』『体術 Lv.1』『身体強化 Lv.1』
まずはこの位でいいだろう。
入手したスキルポイントのほとんどは貯蓄に回す。
これからスキルレベルを上昇させるためには、より多くのポイントが要求される。
現段階では、最小限のスキルを取得するに留め、残りは温存しておくのが吉。
スキルのレベルが上がるごとに、必要ポイントや取得する条件は厳しくなっていく。
かといって、ひとつのスキルにばかりポイントを注いでも、他が疎かになってしまう。
結局の所、満遍なく、色々なスキルにポイントを割り振らなければいけない。
ああ、アレは辛かった。
だけど、楽しくもあった。
HPやSTにも割り振りたいけど、初期段階でステータスを上げるくらいならスキルに振る。
それに、残したポイントはここぞという時の保険に取っておきたい。
さてと、そろそろ現実と向き合おう。
僕は倒れ臥すウルフの死骸に目を向けた。
_______
設定
【スキル】
例:『剣術』
・スキル取得
……SPを1消費
……スキル欄に『剣術Lv.1』が追加
・剣術Lv.1⇒剣術Lv.2
……SPを10消費
……スキル欄は『剣術Lv.2』に
※ただし、スキルによっては、より多くのSPを必要とする。
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