第61話 カノンは闇、闇は罪
「
名を知らぬとある司祭が奇跡を使おうとする。これは相手を眠りに誘うもの。
「
そこへすかさず
しかしこれを彼は一直線にその司祭へ向けて、連なるように仕向けた。まるで銃火器の連射に見える攻撃が司祭を襲い一点突破。
首を撃ち抜かれて司祭は即死した。見事な
後方に回されたアズールだが、攻撃力強化のアルマトゥーラをアギド等に
下手に詠唱を始めると400m上から
何とかシグノの翼を使ってもっと上を取ろうとするのだが、弓矢の
実はそんなもの届きもしないのだが、空中戦に慣れている人間なぞこの世界線には
一方、同じく後方に回された
「エディウス………多大なる
彼はこの状況を分析している。この戦乱を恐らく
現状は明らかにこちらが優勢。だけどエディウスは
自軍の連中も
「そして俺達はたとえ勝利しても、結局黒と言われ続けるのか………」
さっきは皆の手前、うだっていても仕方がないと
彼等ヴァイロ軍が、あのバンデの口車に乗せられてラファンの首都ディオルに攻勢を仕掛けた時の話だ。
「カノンとは闇、そして闇は罪。さらに闇を率いて戦い、皆を殺した貴様こそが最大の罪だ……」
全く名前も知らぬエディウス軍の兵士が、ヴァイロの足元に
この
だが世間一般の認識をこの兵士が
「もう……よそう。とにかく俺はリンネ達を守りたいんだ。その後、もし
「なっ、何だよありゃ!?」
「ムッ! や…闇が斬りつけてくる!?」
遠目にアズールが
夜の
地上からおよそ100m程、
それが修道騎士レイシャの駆るシグノから、200m位近づいたシアン達の前にいるシアン達を蒸発させた。
尚、
「アーハッハッハッ!! あのクソ
200m先の闇から聞こえてくる
「おおっ、これが黒い二刀の真の実力という訳ですねっ!」
「らしいな…全く、剣の刃の上を渡る思いだ。レイシャ・グエディエル!
何やら楽し気な
「あったり前じゃないのよっ! 獅子すら全力で倒すのがこの私、レイシャ・グエディエルよッ!」
「…………」
(いや……
ポーズを決めるためにわざわざ左手の方は
……と効果音すら聞こえてきそうな勢いで、シアン等を指しながら、堂々と応えるのが、このレイシャという騎士の
発声力を完全に失う周囲の
言った当人は、やらかしたなどと
そもそもレイシャが斬り裂いたと思い込んでいたものは一体何だったのか。
ソレはニイナが水の精霊で描いた幻影だったのだ。
もうとっくに気づいている筈なのに、これに驚きすらしないレイシャという騎士は、お馬鹿さんなのか、
しかし200m
術の
近寄るか、あるいは同じ
「エル・ジュリオ・デ・ディオス。雷鳥よ、神の裁きよ、我が力となりて敵を
こんな状態にも関わらず、まるで台本通りといった冷静な声を詠唱に載せるニイナ。
フォルデノ王国国境線付近の戦いにおいて、まさに神の怒りを込めたごとき
これなら200mという距離を訳なく縮めることが可能だ。
これに対しレイシャは、
「さあその身に受けろっ! 『
「ゆけぃ! シグノッ!」
雷の道とシグノが吐いた炎が正面からぶつかってせめぎ合う。けれどもニイナの
あっという間に押されてゆくシグノの
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