第58話 金色の真実が降りるとき
アギドを中心に戦勝を誓い、盛り上がりをみせていた頃、レアットはエディウス達を相手取って、たった一人で
エディウスには、ルオラが付き従っているのだから、彼女がその
それにも関わらず彼女はただ二人の
ヴァイロやリンネ等と同じく、このレアットにすら
「クソがッ! ヒビ入ってんのにまだ折れねえってそのザナなんとかって、どうなってやがんだァ!?」
「クククッ………どうした? ゴリ押しだけでこのエディウスに勝とうなどと………。恥を知れ
エディウスは真正面から受ける
純粋な剣術使いとしての彼女に、レアットが
(さて………。当然新手が出てくるな。此方の奇跡も役を成さなくなるが、止むをえん……)
「グラリトオーレっ!!」
「はっ! お任せくださいっ!
彼女が握っている
「い、いきますっ!」
そこへ先陣切って現れたのは、なんとルチエノの背中に乗って空を舞うエターナではないか。
エターナは空中戦歴が皆無。魔法や精霊術で飛ぶ事も出来るが、下手に宙へ飛びだしても格好の標的にされるだけなので、飛び慣れている者の翼を借りた。
「
「なっ!? な、何のつもりですかっ!?」
最高司祭が既に光の粒による
なれど実際には緑の光を帯びた粒子が拡大してゆき、互いの粒子がぶつかり合って消えてゆく。新月の闇が戦場に舞い戻ってしまった。
「ば、馬鹿なっ!? そのような奇跡………」
「
エターナ達とグラリトオーレ。その距離は数kmに渡る。途中は言うまでもなく夜の闇。
互いの表情はおろか声を聞き届けることも出来ぬ中、エターナはグラリトオーレの言葉を
「う、裏切り行為だけで
「ディッセオ・オーレ! 生命の泉、枯渇し、命の木枯れ果てる刻…」
その
「「その軌跡は
詠唱が追いついたエターナ。二人きりの最悪の合唱が始まる。
「「『
グラリトオーレが空に描いた印が、エターナを
エターナの描いたソレはどうだ? 相手を覆うかと思いきや、己の頭上に輝きを放つ。
グラリトオーレのソレを完全に支配した緑の光。エターナは涼しい顔だ。彼女が朽ちる結果は完璧に
「お、お前……いや、貴女様は一体!?」
「グラリトオーレ……最高司祭である貴女には、流石に気がついて欲しかったです」
腰まで届くソレは背中に黄金の川を流す。エターナが捨てたのは、
◇
それは3日前、レアットと共に無茶をした後の話だ。
レアットのオゾンによる巻き添えで、危うく死にかけた彼女は、ハーフエルフであるエルメタの治療を受けていた。
そんな辛い状況だというのに「大事なお話がありますから、ヴァイロ様とシアン様、それとお二人がお認めになった方をお呼び下さい」と、突然切り出したのだ。
「な、何だ? そんな身体で一体どうした?」
「きゅ…急にお呼び出しして申し訳ございません。なれどエディウス軍の急襲より前に伝えるべき。ようやく決心がつきました…」
未だ荒い息でその胸を大きく波打たせながら語り出すエターナ。
正直痛々しくて見ていられないのだが、その大きな胸は
そんな
「ご……」
「ごめんなさい…ミリアさん、た、ただこれ…
「「フンッ!」」
「ハァ……」
頭を抱えるヴァイロと腹を押さえて
腕組みしてそっぽを向く二人の少女の持ち物は、全くもってエターナのソレには敵わないのだ。
一人呆れて溜め息を吐くアギドである。エターナは自分が火種であることを知らず、キョトンとしてしまう。
「………で、何がそれほど大事で急用なのだ?」
一人大人の女性感で
「ありがとうございますシアン様。特に貴女にとってはこれで
「どういう意味だ?」
寝ているので真剣な目だけを送ってくるエターナに対し、要領を得ないシアンである。
エターナはスーッ、スーッと
「私、エターナ・アルベェラータは
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