第57話 小さき総司令
エディウス達の上空から
その
だがこの青年はただ飛び降りた加速度だけを
そして駄目押しとばかりにその全身がまるで
空気を斬り裂く音がレアットの気分をさらに
「ヒャッハーッ! ヒキガエルのように潰してやんぜッ!」
(先ず
エディウスは、今にも降りかかる死神の
(しかしそれだけでは術士当人が真っ先に消し炭と化す。そこで
「
「ぬかしてんじゃねえぞォォォォッ!」
アマン山付近でやり合った時と同様に、二刀の巨大剣を叩きつけるレアットに対し、真横にかざした
此処だけ重力が数倍にも跳ね上がったのではと
それでもこの女神には通じない………かと一瞬凍った。
「なっ!?
「クソッ! これでも抜けねえとか、どうかしてんだろっ!?」
この世に絶対という存在があるとするなら
剣を叩き折って勢いそのままエディウスと、騎馬のシグノ。
背後に座る遊女の
(5分経過したな……)
「ノヴァン、
口の中からの甲高い少年の声を聞いて、ノヴァンは口を開く。
アズールが首の上に移動したと同時に、大きく息を吸い
「………良くやった」
「………流石切り込み隊長だな」
そうした
(まさかあの近距離爆発すら防ぐなんて…)
これがアズールの本音。彼の絶対もくじかれた側であった。彼とノヴァンのコンビだけでおよそ30騎の
されど詰まる所、
そして何よりもレアットによる底上げが、アズールにとってはかえって
「こ、これをアズ達だけで……」
この事態を一人、違った意味で重い
彼は直径数kmにも及ぶ
実はこれよりも破壊力が上の術があるのだが、それはあくまで計算上の
もっと言えばレアットの酸素濃度増加案を提案したのも、このヴァイロなのである。
それにも関わらず自らが編み出した力に、彼は
(こ、こんなモノ……人が
「ど、どうしたんだヴァイロ? まだ下ではレアットがたった一人で戦っているんだ。早急に次の指示を出さないと、敵は立て直してくるぞ」
震える総司令の方を背後から掴んで
ヴァイロの
(ヴァイ………。今さら引く事は………)
「良し………作戦の第一段階は成功だ。次は
そんな大人の男女二人のやり取りに心中の闇を見て、代わりに口を開いたのは魔法剣士のアギドである。だいぶ早口だがキレのある声。
「まずあの
「任せて、アイツには借りがあるんだ」
「ハッ! この新たな武器を必ず使いこなして見せようぞ」
既にルオラ&エディウスとの戦闘経験があるリンネは、当然の
ただ前回
「そしてミリア、かなり荷が重いが俺と共にあの
「と………いう事は自然、
「ま、待てっ、アギドっ!
そこにまるで想い人を
けれど無情にもアギドは、首を横に振ってしまう。
「
「……わ、判った」
「大丈夫よシアン、私達でチャチャと
(感謝します、アギドさん………)
背も歳も下のアギドの両目から有無を言わせぬ
親と
レイチはまるで自らの名前を
「そして………」
身を
「実は
「はいっ!」
「り、了解しました」
エターナは呼ばれるのを今か今かと待ち構えていた。
アギドの
「後はこの高所から
「うぉっしゃぁぁ!!
大きな歓声にも似た返答がこだました。完全に後ろへ置いて行かれた感の
—神は神らしく見下ろしていれば良い。
確かにそう聞こえた。
(その願い、しかと受け入れたぞ)
空も闇、自らの位置も闇でありながら、
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