第56話 黒い罠と紅の超爆炎
「昼間………確かに
「どうしたのシアン、何か
「あ………いや、何でもない。何でもないのよ」
シアンは一人、簡単な夕食を胃に入れようとしている所であった。なれど三日も前に交わした会話の内容を未だに引きずっており、つい声に載せてしまう。
実にらしくもなく、近くにニイナがいた気配に気づけないまま、心の内を
否定するシアンの言葉にニイナがさらなる
なれどニイナは見た目こそ少女だが、中身は150歳を超えた人格を持ち合わせている。年長者の余裕を持って、それ以上の
(多分アギドは他人の心の中が多少読める。彼はエディウスの中にトリルの人格を見つけている!? やっぱりトリルは生きて………)
地面に貴重な戦場食を力無く落としてしまうシアン。自身もそのまま
普段
岩肌で出来た地面は、シアンの暖かいモノを受け入れてはくれなかった。
「
「シアンっ!」
「ニイナっ、判っているっ! 今は迷っている時ではないっ!」
食事をきっぱり諦めてシアンは、ニイナと共にラファンの方角、崖の
(
もう迷いはない、
「ゆくぞっ、ノヴァンっ!」
「ほ、本当にやるのかアレを………アズ」
ノヴァンに騎乗し400mの
「当然だっ! 俺は死んでもミリアを守るって決めたんだっ!」
「そういう
「わぁーてぇらいっ!」
いかにも暗黒神の影といった処か、まるでヴァイロの
14になった今でも元気が服を着て歩いているようなアズール。その姿は健在だ。
一方攻め手側のエディウス陣営。レアットとの死闘において重体と言って差し支えない傷を負った
ご
これにいつも通り白髪で
やはり総大将こそ先頭に立って味方の
「これはこれは、暗黒神の竜ではないか。御一人で
(誰も騎乗していないだと? 一体何を
「………ヘルズ・フィアー、
あえて
だがいつもの
そんな見当をする
判明している事実………。これは
「いかんッ!! 早く出来る限り後方へ逃れるのだッ!!」
「もう遅いッ! ……神すら恐れる地獄の
エディウスが剣を握っていない左手を広げ、必死の訴えと共に後ろの同軍に
そこに詠唱をしている
まるでノヴァンが
全く
それは
「ば、爆発が………。いくら何でもこの
「ま、また
シグノの翼で全身を
一緒に騎乗している
そして何よりもこの爆発の
「い、いかんっ! このままではこのシグノも持たんっ!」
「デエオ・ラーマ、
ルオラの
自分達の目前に嵐を起こして炎を巻き上げることでシグノの翼だけでは不足している防御力を
そんな事をしている内に目前だった筈のノヴァンが消えている。たとえ炎耐性に
エディウス陣営は完全にノヴァンの成長力を
やがて爆炎が消えてゆく。時間にして10秒間程であっただろうか。なれどエディウス等にしてみれば数十秒………いや、数分にも感じたに違いない。
巨大なクレーターのような爆発の
「……その息を我に与えよ『
相手の
ノヴァンの赤い目だけが光線のように移動の
さらに生き残った味方に対して
「あ、
「成程……。流石に読めたよこのカラクリがな。今度は
「ご名答ッ!! だがなッ、これで
エディウスが宙を見上げると、この超巨大かつ
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