第12話 接触
黒い竜の赤い目がギロリッとヴァイロを上から
「ああ、そうだっ! だがお前のその身体に色を付けたのはそこの青い髪のアギド」
「アギド……」
「そしてその
「ミリア……」
見られた彼等は目を合わせたら、石にされるメデューサを相手にしているかの様に緊張し、視線を重ねる事が出来ない。
「さらに岩すら溶かす高熱の
「し、少年は
「アズール……」
アギドとミリア、大して変わらない年齢なのにわざわざ少年と紹介された事に、
「そして貴様のその声と自由な意志を与えたのが、緑色の髪……」
「リンネであろう……理由は知らぬがこの女の事は知っている………歌も聞こえていた。貴様の女だな」
そう言って黒い竜は目を細めると、リンネの身体の下に首を下げる。
「の、乗れっていうの?」
硬いと思われた皮膚が
「確かにこの女のお
「ああ……そうだな」
竜は再びヴァイロを睨みつける。ヴァイロも見上げながら、
「え、え、えっ?」
「クッ!」
訳が判らず
「意志を与えたという事は、必ずしもヴァイの言う通りに動くとは限らないという意味だ」
「そう……でしょうね」
「なっ!?」
アギドの説明を聞いてミリアとアズールの顔つきが変わる。
しかし先程の
いや、たとえ
「確かに……。さりとて俺が貴様の身体を形作り、
「貴様が我を元のゴミに戻せると言うのか?」
「フフッ……だとしたらどうする?」
ニヤリッと笑うヴァイロと、面白くないといった顔つきの竜の視線が
「判った……貴様の
「
「………あまり調子に乗らんことだ」
ひとまず竜と一戦
「待ってっ! 何か来るっ!」
「むぅ?」
「あ、あれは!?」
竜と共に空を飛んでいたリンネが誰よりも早く迫りくるものに気づいた。小さき白い
「フフッ……待ちかねたぞ。あれだけ
「えっ、ほ、本当にドラゴン作ったの? それにしてもフォルデノの貴族達まで闇側に力を貸すだなんて世も末ね」
その姿、見間違いようがない。
ただエディウスの後ろ、彼女を後ろから抱きしめて、背もたれ付きの
肩と脚を惜しげなく露出し、まるで
「さあ、とびっきりの遊びをしようではないか
「いいだろう、俺達の本物の竜の力。素晴らしい
エディウスとヴァイロ、互いが負ける気なぞ
「い、いかん………」
「み、皆を守らなきゃ……」
「で、でももうあまり
一方、アギド、ミリア、アズールの3名は、
(い、今、役に立たないとかっ!)
「グラビィディア・カテナレルータ、
「や、やめろっ!
ミリアは激しい頭痛に顔を
それは愛するヴァイロに危機が
(
ドラゴンを
また
「ロッカ・ムーロ、
(させないわよ、可愛い子だけど………)
「デエオ・ラーマ
エディウスの後ろにいるルオラが、笑いながらミリアの動きに反応し、先に詠唱を
(や、やべぇっ!! 間に合え!)
「
アズールの手は何故か敵であるルオラの方でなく、
ルオラの
「きゃあぁぁぁ!!」
「フフッ……中々に
「へっ! 俺の前で
「ミリアっ!」
上から見下した視線を
「い、一体どういう……」
「ミリア、いくら何でも
「え……」
「へへ……ミリア
何故自分はアズールに
アギドの説明を聞いて
だがその
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