第11話 竜の宴
直径200mは、あるのではないかと思われる巨大な
しかしながら陣を
その陣の中に例の材料、ワイバーンの羽根・
恐らく材料に関してはエディウスのものとほぼ変わらないであろう。
されど向こうは白く美しき
「おおっ! こ、これが……」
「我々も歴史の立会人になれるのか?」
フォルデノ王国より見物に来た
「
「まあそう言ってくれるなミリア。ただの魔法ですら
ミリアは
「しかしヴァイ、本当にお前の言う力を加えれば成せるのか?」
「そんなもの多分としか言えない。出来なかったら残念でしたと、笑いながら逃げるだけさ」
アギドも正直
ヴァイロは肩を
「とにかく皆、
「あ、う、うん……」
「よし、じゃあ始めるとしよう。神が出るか
ヴァイロ、リンネ、アギド、ミリア、アズールが、錬成陣周囲の持ち場にそれぞれつく。
楽しみだなどと白い歯を見せているのはヴァイロだけで、他の4人は緊張した
ヴァイロは錬成陣の北側、時計でいう12時と言える場所に降り立つ。9時の方向にアギド、3時の方にはミリア。ヴァイロと
そしてリンネは宙に浮きながら、錬成陣の中央を眺める位置で静止した。
「神の中で
ヴァイロの
「ではまず黒き者っ!
9時の方向にいるアギドを指名している。
「我、
アギドの
周囲の者達からも存在を忘れらるという
これをまず錬成陣の中央にゆっくりと送り込む。ヴァイロの弟子で最も優秀な彼でさえ、冷や汗をかきながらの作業だ。この黒き炎が竜の色を成すらしい。
「次っ! ドラゴンの
3時の
「ドラゴ・スケーラ、
物理も魔法も正に
本来なら術者本人にかけるものを人ならざるものへ。このコントロールは実に難しいらしい。
「さあ、
「ヘルズ・フィアー、
アズールが爆炎系最強の
しかも吹き飛ばす為ではなく、中央の炎へ
三人共、ヴァイロの指示で既に
(
「黒き炎よ、
ヴァイロが錬成陣の前で
これから錬成するものは、決して
「おおっ!」
「み、見ろっ! 黒い炎が巨大な何かに変わってゆくぞっ!」
長い首、巨大な翼、
(良いぞ……アズが描いた絵を見て、俺が頭の中で思い
これがヴァイロにしか出来ない力の
自ら
「リンネっ! 仕上げを頼んだっ!」
4人共、自らの力の
リンネはハープを
「暗き~谷間に響け
リンネの歌声が谷間に響き渡る。その調べと光景に見る者達は声を失う。
「さあ、黒き竜よっ! 今こそ此方へっ! 竜の
リンネの呼び掛けに応じたかの様に、これまで誰も聞いたことがない
「叫べ竜っ! 飛べよ竜っ! 我と共に歌おうぞっ! 『
黒き炎にリンネの声が確実に届いた、全ての者は
揺らぐ炎が脚の辺りから徐々に固定化してゆく。爪、足の指、脚、腹……その全てが黒い。
人間達が初めて目にするそれは、巨大な翼を広げてリンネの辺りまで飛ぶと
「貴様か? 自らの影を我が身と成したのは?」
それが黒い竜が最初に告げた言葉であった。その
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