第33話

防寒着を手に入れ、カサブタ村を出て1日が経った。

 進むにつれて、寒そうな風景が広がる。

俺たちは、キャンピングカーの中にいるので、今は暖かいが...


アイスクリーム村に着いても外に出たくないな〜と思いながら、進んでいると、レイが指を差した。


「マスター!!あそこです。あそこが、アイスクリーム村です。早くアイスクリームを作ってくださいよ!!」

「まてまて、アイスクリーム村の行く理由は聖剣の場所だ。聖剣について聞いてから、作ってやる。あと、牛乳ないから作れないぞ〜」

「牛乳は、村で売ってます。なので、大丈夫です!!」


レイは、早くアイスクリームを食べたい一心だ。

 俺は、こんな寒そうな風景を見ているとアイスクリーム食べる気がないぞ。


「さ、さみー」

「そうですか?」

「レイはいいよな〜だけど、これ着とけ」

「私は大丈夫ですけど?」

「バカだと思われるぞ。」

「う....」


渋々防寒着を着ていた。

 

「こんな真冬になんかようか?」

「いや、聖剣の情報を聞きに」

「ま、まさか、聖騎士様か!?」

「こいつが」


俺は、レイの方を指を指した。

 防寒着を多く着込んで、寒さ対策をしている門番の人が驚き門を開けて村に歓迎された。


「一番大きな家を探して欲しい。そこに、村長がいるから、村長に聞いてくれ。村長は、聖剣についてよく知っているお方だ。」


そう言われて、大きな家を見つけ出し入る事にした。

 中に入ると、少しあったかい。


「おや、旅人かい?」


おばあさんが、火に当たりながら俺たちの方を見てきた。


「そうなんです!!早く聖剣の場所を教えて欲しい。あと、牛乳を分けて!!そうじゃないと、マスターがアイスクリームを作ってくれないの!!」

「こら、失礼だろ!!」


俺はレイを叩いた。

 レイは、アイスクリームの欲求が限界のようだ。

村長は、笑っている。


「ははは〜面白い子だね〜けど、教えてあげてもいいが、私の依頼を受けて欲しい」

「な、何ですか?」


あからさまに、嫌な顔をするレイ。


「そんな嫌な顔をするんじゃない。依頼を受けてくれたら、乾燥肉と牛の乳をあげるから」

「ほ、本当ですか!?じゃあ、受けます!!」


俺に許可を取らずに、答えた。

 まあ、どうせこの依頼を受けなければ聖剣のありかを聞けないので、どうせ受けていたが...


「今年は寒すぎて、薪が足りない。これも、魔王軍が近づいているのかの〜なので、木を斬り大量の薪を持ってきて欲しい」

「わかった。マスター行きましょう!!」

「よろしく頼むの〜」


俺は、レイに引っ張られ外に出た。

おばあさんは、手を振っていた。

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