第27話

プリンの上に乗せたキャラメルを、最後まで舐めている料理長とレイと王様の光景を見て少し恐怖を感じていた。


「ふう~ワシはデザート一個でこんな満足感と、もう一個食べたいと思わされたことは無いぞ」

「私は、お皿まで舐めちゃいました。まだ、苦いけどおいしい黒い液体の味が残ってたので。」

「ワシもじゃ。」

「恥ずかしながら、わたくしもそうです。」


三人は、プリンの感想を言い合っている。


「料理長。プリンと言う物は作れるようになったか!?」

「はい!!アマスギと言う果実をあの粉上にする方法さえ聞くことが出来たら、作ることが出来ます。こんな美味しいのに材料が3つと大変楽なので。」

「うむ、やしろ殿アマスギの果実を粉上にする方法を教えてはいただけないだろうか?お金は弾むぞ」

「じゃあ、教えます。」


別に無料でも教えてもいいけど、俺はこの世界でのお金を持っていない。

 何かを買おうとしても、お金がないので買うことが出来ない。


俺は、アマスギを砂糖にする方法を教えることにした。

 砂糖を作るのは、ちょっと面倒だが王様とかが何とかして、量産体制とかしてくれたら、俺もあんなめんどくさい工程を踏まずに市場で買えるといいな~とも思いながら教えた。


料理長は、俺の作り方を聞いて『え、そんな方法で』と言う感じの反応をしていた。


「王様、これは画期的です。今すぐ、これを大量に作って私たちの名産品にするべきです。」

「うむ、許可しよう。お金は、国庫から出そう。」

「はい」


王様と料理長とのやり取りを終えると、料理長は走ってどこかに向かった。


やしろ殿ありがとう。ワシはこんなに旨いものを食べたことがない。刺激的な一日じゃった。ところで、騎士団長が言っていた、光る箱はなんじゃ?」


どうやら、キャンピングカーについて気になっているようだ。


「キャンピングカーですね」

「キャンピングカー?」

「そうです。マスターのレイド号は凄いんです。」

「ワシにも見せてくれ。」


王様が、目を輝かしているので、ちょっと広い場所でキャンピングカーをだした。


「なんじゃ、この箱は!?」

「レイド号です。走るとめっちゃ早いです。」

「ワシの庭でこれを走らせてくれ。」


と言うので、案内された庭でキャンピングカーをもう一度だし王様が乗り込んだ。

 俺は、庭を一周した。


「おお。早い。早いぞ!!」


と言う感じで、王様は興奮している。


「最高じゃあ!!やしろ殿これ欲しいのだが。」

「無理です。」

「そ、そうか...」


俺は、ズバっとキャンピングカーを欲しがる王様を断った。


しばらく走り、王様はキャンピングカーを降りた。


「最高じゃった。やしろ殿...」

「ダメです。」

「う...」


と言う感じで、欲しがっている王様を『ダメ』と言い王様はしょんぼりしている。

 王様は、俺とレイを王様の部屋に案内された。



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